オレンジデイズ

□慣れって怖いよね。
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題名にも書いたように慣れって怖いよね。最初は半日でもクタクタだった仕事が今じゃ一日でクタクタだもの。このままいけばマメさんみたいにずっと元気でいられるんじゃないかな。


「嬢ちゃん!今日はもう仕事あがってええぞ!」
『あ、はーい!』
「いやぁ!嬢ちゃんも成長したなぁ!一日働いても大丈夫になったしな!」
『おかげさまで』
「元気は底なしやなぁ!嬢ちゃんもしやサイボーグか!!」
『あんたにだけは言われたくない』


元気な人相手にすると自然に毒舌になっちゃうよね。バン君も私の相手するときこんな気持ちなのかなぁ。
…あ、また私バン君のこと考えてる。バン君に会いたいなぁ。早く帰ろう。












『バン君、もっと首の近く』
「ここ?」
『あ〜、いい!』
「……。」
『いい…だだだだっ!?』
「怠けてるナノハには刺激も必要かなって」
『not刺激!!』


グイッとツボに指を押し込められたもんだから、すごく痛い。最近はこうやってバイトから帰ってきたら私の部屋でバン君にマッサージしてもらうことが日課となっている。好きと自覚したものの告白するわけにも行かないので、取りあえず平行線だ。でも、ちょっと意識してほしいな。とか思ってしまうわけで…。恋って難しい。


「ナノハって好きな人いるの?」
『はぇ?!』


なんだなんだ!?突然すぎる問いかけに肩が大きくあがった。バン君もびっくりして手を離した。


『な、なんで!?』
「いや、アミが言ってたから…」


なんと!いつの間にそんなこと話したんだ?


『そりゃ…いるけど、』
「そうなんだ」


会話終わりですか。いや、分かっていたけどね?私に興味ないことぐらい。覚悟しててもやっぱりくるもんなんだなぁ。


『…バン君は、いるの?』
「?」
『す、好きな人っ!』
「――いるよ?」
『え、』


自分から質問したのに言葉を返せなかった。
…そうだよね。バン君だってお年頃だもの。好きな人の一人ぐらい…。聞かなければ良かったといまさら後悔。


「最近、自覚したんだけどね」


照れ隠しで頬を掻く姿に胸が苦しくなった。


『…どんな人なの?』
「え、威厳のない人」


アバウトッ!イメージすらわかないんですけど!


『も、もうちょっと分かりやすく…』

「そうだなぁ…。あ、意外性に長けてる?」


うん。余計わからなくなったね。しかも最早貶してるよね。意外性ってなんだよ。ギャップ萌か?バン君の好みってよう分からん。
取りあえず、


『そっか、頑張ってね!相談だったらいつでものるから!』


私は彼を応援してあげるだけだ。彼が好きだから、幸せになってほしい。
私、ちゃんと笑えてるよね?


「……―うん、ありがとう」


そう微笑みながら言ったバン君の顔が寂しそうに見えたのはきっと気のせいだ。


―――――――――――


早くくっつけばいいのに(;`皿´)


もうすぐ春ですね。






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