オレンジデイズ

□こういう人ほど意外性に長けている。
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明日から春休みで学校の帰り道、春休み中はなにをしようかと計画を練りながら歩いていた。まぁ、大半はLBXやるんだけど。

家に帰るとナノハがキッチンでなにかをやっていた。


「何やってるの?」
『あ、おかえりー。』
「ただいま。で、なにやってるの」
『うどん作ってる』

まさかのうどん。パンじゃなくてうどん。


「料理できるんだ」
『はっはっは。意外だっただろー』
「うん。」
『少しは自重しろ』

生地をこね終え、それを冷蔵庫へ入れる。そしてすぐにお茶を入れて俺のところまで持ってきてくれた。ナノハは高校生なのにしっかりしている。最初は「この人、頭大丈夫かな」と思っていたけど、数日して考えは変わってきた。意外とできる人なのだ。急にうどん作り出すなどへんな思考を持っているが。


『はい、お茶』
「ありがとう。なんでうどん?」
『アルバイト面接の時、うどん作れますっていったら作って持ってきてと言われまして』
「は?アルバイト?」


初耳だったから思わず聞き返した。


『うん。飲食店なんだけどね。うどん料理が多いみたいだから』
「……へぇ」
『バン君?』


首を傾げながら覗き込んでくるナノハ。なんでか分からないけどモヤモヤした。


「俺、LBXのメンテしなくちゃ」
『え!見たい!』
「見ててもつまんないよ」
『いいの!真剣にメンテしてるバン君が見たいから』
「変態」


そう言いながらもトクン、と心臓が高鳴った。やばい。なんだろうこれ。自分でも分からない心拍上昇に首を傾げる。


『どうしたの?』
「いや、なんか今…こう…」
『?』
「…なんでもない」


自分でも分からないのに他人に分かるはずがないと説明をあきらめた。その時には動悸が収まっていたので結果オーライ。


「まぁ、いいや。」
『はぁ?』
「こっちの話。じゃあ、俺自分の部屋にいくから、うどん頑張って」
『え、もうこんな時間たってた!』


驚いているナノハを差し置いて席を立って二階に行こうとリビングを出ようとしたらすんでのところで腕を掴まれた。


『ここでメンテしてよ!』
「やだよ」
『見たい!』
「だから嫌」
『出来立てのうどん食べさせてあげるからぁ!』
「うっ…」


手作りうどんは気になる。食べてみたい。でも、そこまでして見たいものなのか?俺には理解できない次元だ。


「…っ分かった。メンテ道具持ってくるから手、離して」
『やったー!!』


よほど嬉しいのか、飛び跳ねるナノハ。こういうところは子供みたいだなと思った。分かりやすい。そんな彼女を見ていたら不思議と俺も嬉しくなって微笑んでいた。


この気持ちの名前を俺はまだ知らない。




―――――――――――


青春ですなぁ(-^〇^-)







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