ダンボール戦機

□不安なんだ。
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私には彼氏がいます。


名前は山野バン。


バンはとても優しい。私に限らずみんなに…


だから不安になるんだ。バンは一年前は私より小さくてどちらかというと可愛いと言われるほうが似合っていて(バンには悪いけど)、クラスの人たちもそこまでバン関わることはなかった。


男子の成長期って怖い。だって日に日に背が伸びていくんだもの。前まで私のほうが高かったのに今では頭一個分も身長を抜かれてしまった。


声も少し低くなり、完璧に青年って感じになった。可愛いなんてとても言えない。


それにあの優しさを+したらほかの女子がほうっておくわけないじゃないか。




私とバンが付き合っていると知っていながら彼に寄り付く女の子たち。


今日も私はその様子を少し離れた自分の席から見つめていた。


「こら、眉間に皺がよってるわよ。」


『あてっ、』


コツンとおでこにデコピンをくらう。


結構痛い……。


おでこをおさえながら上を見上げる。


『なんだ、アミ…とカズか』


「ちょっと待て。なんだ今の間は!」


アミとカズは私の親友だ。バンを合わせた四人でよくキタジマに行ったりしてる。


「悪かったわね、バンじゃなくて」


『バンは来ないって分かってたよ。だってあそこで囲まれてるから…』


目を向けると先ほどと変わらず女の子に囲まれているバンの姿。バンも少し困ってるようだけど突き放したりしないで笑いかけてる。


あ、いけない。


また眉間に皺が…


「名無しいつも見てるだけで何も言わないじゃない。私はもう少しわがままになったほうがいいと思うけど」


「バンは誰に対しても優しいからな〜、名無しが言わないと気づかないんじゃないのか?」


『…言えないよ……。』


ホントは今すぐ言いたい。

他の女の子たちと仲良くしないでって。私があなたの彼女なんだよって。

でも、それを言ってバンに重い女だなとは思われたくないもの。彼に嫌われたくない…


それに、、、


『…カズに言われるとなんかムカつく。』


「なんでだよ!!」

あー、相変わらず弄りがいがあるなぁ


「そんなことより、今日キタジマ行くんだけど名無しも来るよね?」


「(そんなこと……)」


そんなことで片付けられてしまいショックを受けるカズ。


最早、カズの味方はここにはいない。


『うん。…あっ、でも今日私日直だから先に行ってて』


私が言い終わると同時にチャイムが鳴り響く。


アミたちは立ちながら分かった。と頷いて自分の席へと帰っていった。






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