ダンボール戦機
□宝物
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俺の彼女は高校生。
頭はいいのに、天然ドジなところがたまに傷。
まあ、可愛いからいいんだけどね。
今日も彼女の家でご飯を作る。午後に授業が入っている時は俺のほうが遅いんだけど、今日は午前授業だったからこうして彼女の好きなハヤシライスを作って待っていた。
『聞いて!今日はね――』
二人向かい合って座り、ご飯を食べる。その時に今日1日の出来事を話すことが日常になっている。
「またなんかやらかしたの?」
『言い方ひどくない?今日この前やったテストが返ってきたんだけどね、名前書き忘れてたらしくて0点とっちゃった』
ドジっちゃった〜、と笑いながら話す名無し。
もはやドジるレベルの問題じゃないそれ。将来性に関わる問題だぞ……
「名無し、今年大学受験だよね…?笑ってて大丈夫なのか?」
『大丈夫大丈夫。バンと同じ大学行くくらいの学力はあるから』
「ドジやってちゃ元も子もないよ」
『本番は気をつける!!』
そう言ってハヤシライスを口に含む彼女。そんな姿も可愛いと思ってしまう俺は相当溺れてるなと自分で自分に苦笑い、
「頼むよ受験」
『おーともよ!』
「あ〜…卒業したらやっと抱ける、」
『…ボハァッ!!』
「うわ!飛び出た、かかった!汚いよ!!」
『ゴホッ、バンが変なこというからだ!私は悪くない!!』
「なんだと!?彼女と二人暮らしで欲情しない男がいるかぁ!!」
『知るか!さっきまでの甘い空気返せよ!てゆうか、吐き出したハヤシライス返せよ!そしてハヤシライスに謝れよ!!』
「ハヤシライスさん、ごめんなさい。悪いのは名無しです」
『お、おおう……』
「てか、話ずれてない?なんで俺ハヤシライスに謝ってんの…?」
『バンが抱けると言った時点でハヤシライスに謝る運命だったんだよ』
「意味が分からない。…ホントのこと言っただけだし」
『…。』
「卒業するまで待って、って言ったのは誰?」
言い返す言葉がなくなったのか俯く彼女。そんな彼女の頬に優しく手を触れ、下から顔を覗き込む。
案の定、彼女の顔は耳まで真っ赤っか。俺の顔を見た瞬間、肩をビクッと震わせ、後ろに下がろうとした。
「(…させるか、)」
後ろに下がる前に頬に触れてた手を後頭部へ回す。そして彼女の唇についばむようにキスをした。
机を挟んでいるため、正直態勢がキツい…
軽いリップ音を忘れずに唇を離す。
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