ダンボール戦機
□宝物
1ページ/4ページ
私の彼氏は大学生。
LBXが大好きでLBX関係の話になると、子供みたいに楽しそうに話すの。
彼とは家が近所で昔はよく一緒に遊んでた。親同士も仲がよくて私たちが付き合っていると伝えた時はどれだけ喜ばれたことか…
でも彼が好きだから、認めてもらえたときは二人で喜びあった。
私の両親は忙しくて家にいないことが多い。帰ってくるのは週に一回、ホントに忙しいときは二週間に一回帰ってくるぐらいだ。
でも寂しいと思ったことはない。何故なら彼がそばにいてくれるから。
『ただいまー』
「おかえり、」
玄関に入ると漂ってくるおいしそうな匂い。今日はカレーかな?
『カレー?』
「惜しい。ハヤシライスだよ」
違ったか。まあ、私的にハヤシライスのほうが好きだからよしとしよう。
彼は私の家に居候している。提案したのは両親たちで、彼も私も二つ返事で了承した。
彼といれるんだったら断る理由ないからね。
「もう二人暮らしでもいいんじゃない!?」
「やーね!まだうちの子は高校生よ?気が早すぎるんじゃなぁい?でも、将来のためにいい機会よね!!」
と、楽しそうに話を進める親に苦笑いしたのは言うまでもない。
そんなことがあって現在では半同棲状態となっている。
『バー、ン』
エプロン姿でキッチンに立ち、鍋をかき混ぜている彼、バンに後ろから抱きつく。
「なあに?危ないよ。突然抱きついてきたら」
目は鍋から離そうとしないバン。
『ごめんね。そこにバンがいたから』
「なんだそれ、」
『ふふっ、ホント料理が上手だな〜と思いまして』
「俺の嫁さんは料理ができないからな〜」
『よ、嫁!』
顔が熱くなってバンをさっきよりも強く抱きしめる。彼はこうやってたまに突拍子もないこというから困る。心臓保たなくなる。現に今私の心臓はドッキンドッキン音をたてている。
「…照れてる?」
『てれっ、照れてない!!』
キューッとバンの服を握りしめていたら不意にカチッて音が聞こえ、バンはこちらに振り向き真正面から私をぎゅっと抱きしめた。
「…嘘つき。顔真っ赤じゃん、」
『…赤くならないほうがおかしいです』
顔をみられてしまった以上、反論しても無駄と思い素直に返した。
.
「名無し、」
なに、と顔をあげると目の前にバンの顔。そして唇に柔らかい感触。
触れるだけのキスに私はポカンと口を開けたまま。
そんな私に彼は笑って、
「ご飯できたから、食べようか。」
ポンと私の頭をなでる。
こういう優しいところ好きだな、と心から思った。