ダンボール戦機

□愛の確かめ方
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「好きな人ができたんだ」











私はバンの彼女だ。

今だってバンの家でデートの最中。そのデートでバンからの信じらんない言葉。

私は耳を疑った。



『…今、なんて?』

「好きな人ができたんだ」


『うそ、でしょ…?』


「…ごめん。」




暫くの沈黙…




『…なん、でっ……あたしじゃ……物足りなかった…?』


沈黙が耐えきれなくて絞り出した声。


その声で自分が泣いているのだと初めて気づいた。バンもぎょっと驚いた顔をしている。


『…バカバン……!』


自分が泣いている所をバンに見られるのが悔しくて…


逃げようと思い、急いでドアに向かったがいち早く反応したバンが私の腕を引っ張っり抱き締めた。

『……なによぉ…はなして……』


「ごめん。やりすぎた」




………………へ?


もがいてた体がピタッと止まる。


や、やりすぎたってなにが…?どういうこと?


私の頭はすでにフリーズ状態。バンは私を抱き締めながら呟いた。


「…今日、何日?」


『何日って4月ついた…ち…』



やられたっ…!


まさか今日という日を忘れてたなんて!


それでも忘れてたというショックよりもバンに捨てられなかった安心感の方が断然勝っていた。


次から次へとポタポタと涙が頬を滑る。

『捨てられたかと思った…』

その言葉を聞いたバンは今はすっぽりと己の胸に収まってる名無しを離し唇を重ねた。


『ん…』


触れるだけのキス


唇を離すとバンは静かに微笑んだ。


「俺が名無しのを振るなんて絶対ないから。これから先もずっと…」



その言葉がとても嬉しくて 私は彼の胸に再び飛び込んだ。












〈愛の確かめ方〉


(泣いている名無し、可愛いかったなぁ)
(!う、うるさいっ)ポコッ
(いたっ…)

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