ZZZ
□Sweet Baby.
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『……ん、…んー…ふぁ…』
「…すー…」
『…朝…?』
広い一室の窓際に置かれているベッド。ふかふかで、凄く寝心地がいい。持ち主が家具屋に行って二時間かけて(道にも)迷いながら選んだらしい。
持ち主は私の左側にいて、背を向けて寝ていた私の肩におでこをくっつけてお腹あたりを抱きしめて寝ている。私は抱き枕状態。
頑張って起こさないように、でも必死に手を伸ばして閉ざされていたカーテンを開ける。
シャッと爽快な音がして差し込んできたのは眩しい朝日。もう春になろうとしている今、とても温かく心地いい。
また少しうとうとしてきたが、このまま寝る訳には行かない。私たちには学校がある。時計を見ると七時。そろそろ起こさなくちゃ…。
そっと半身を起こして私の彼氏―――ヤマケンこと山口賢二くんを揺する。
『…賢二くん、賢二くん起きて。』
「…ん、…和香…」
『もう朝だよ、起きないと学校遅れちゃう…』
「…いーよ、別に…」
『マーボくんたちに茶化されるよ?』
「…なら、今日休めばいい」
『えっ、きゃあっ!?』
寒い、といいながら私の腕を引っ張ったから支えがなくなり布団に逆戻り。そしたら見事賢二くんに腕枕をしてもらっている状況に。
「どうせ一日行かなくたって授業なんてわかる…俺は眠い」
『私皆勤賞ねらってるんだけど…』
「…俺と皆勤賞、どっち?」
閉じられていた目をスッとあけて聞いてくる。こういうときばっかりずるい。同い年なのにこの色気はなんなのだろう。
『う…その質問は、ずるい。』
「どっちなの。」
『…か、皆勤賞』
「…肉つまむぞ」
『…賢二くんです』
「ん、じゃあ問題ないだろ。」
『うう…せめて学校に連絡させて…』
「…いい、俺ン家のやつにさせとく。さっさと寝ようぜ。」
『もう眠くないよー…』
「…んじゃあ、疲れて寝ちまうことするか。」
『…それって、』
「言ってほしいか?」
『…いい、です…』
「良い?」
『遠慮します…//』
「じゃあ寝るに限るだろ。…温かくなれば、どうせ寝る…」
『…ん…』
実際、賢二くんにぎゅうっとされることでポカポカして眠くなってきた。前、テレビで体が冷えると眠くなるって言ってたけど、温かくなっても眠くなるよ…
『…すぅ…』
「…寝つき早すぎだろ…」