ZZZ

□君色デイズ
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「のん、朝だよ。起きて。」

『んんー…あと、さんしゅう…』

「夢で走ってんの…?なにそれM極まりない…やっぱ俺の生涯の伴侶はのんってこと?」

『んぅー…ふにゃ…』

「……のん、起きないと……朝からムチ、だよ?」

『っあー!なんか変な夢みたっ!?どっかのドSが耳元でなんか、』

「おはようのん、どっかのドSってだれ?」

『…っぎゃー!!なんでまたいるの!?』

「えー?なんでって言われてもー。」

『昨日は部屋の鍵も閉めたし窓も完璧だったのに…!!』

「…部屋の鍵って外からでもあけられるよね。」

『なっ…!!まさか玄関からきたの!?』

「のんママが“和香恵一くんじゃないと起きないから起こしてくれるー?”って。」

『ママン起動プリーズ…!!』


おはようございます皆様。相楽和香です。
清々しい朝を迎える予定で昨日眠りにつきました。予想外です。
いや、ある意味予想できたかもしれません。
いつも平和な朝をと願い寝るのに寝起き一番の顔はどこぞのドSです。なんてこったい。
視界の端に鞭をちらつかせやがります。怒ると本当に鞭使います。女王か。
そんな感じのコイツ片倉恵一は隣の家の幼なじみです。


「…俺じゃないと起きない、ねえ?」

『それはお母さんが勘違いしてるの!』

「へえー。でも、俺が行かなかったときいつも遅刻して兄ちゃんに怒られてるけど?」

『だっ、それは…』

「それは?」

『…け、恵一に起こされるのに、慣れちゃったから…』

「…ね、のん。」

『…なに、』


ギシッ。
恵一が目をとろんとさせてベッドに乗り上げてくる。
ぅあ…なんだコイツ、朝からなんかエロい…。


「…そろそろ認めなよ。」

『なに、を…』


…なにを、なんて聞き返すまでもない。あたしはちっちゃいときから、こんなドSだけど恵一が好き。
ずっと前から認めてその気持ちと向き合ってる。でも―――…


「………俺に毎朝イジめられたいんでしょ?」


…こンの、男は…ッッッ!!


『………恵、』

「なぁに?」

『死ねッッ!!』

「…のん?躾が足りない?」

『んな腹黒く笑ったって効かないから!!着替えるから出てけッ!!』

「ちぇーっ」

『ちぇーっじゃないバカ!!』


本気でその可愛い顔の中に隠れてるドS撲滅されろっ!!


 
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