「ユウくんユウくん」 「ユウくん言うな死なすど」 「けち!一氏さんのケチ!」
この男、一氏ユウジ。彼は相方の小春ちゃんが居ない時はとてつもなく冷たいだけの男になる。四天宝寺中男子テニス部の敏腕(←ここ重要ね!)マネージャーである私に、名前で呼ぶことすら許してくれないなんて。
「逆に死なすどー!」 「は?」 「う……私、負けないっ」
冷たい。冷たすぎる。これが巷で噂の絶対零度ってやつだ!ウィンクと顔の前でのピースすら一氏は「きも」と一言で一刀両断。でも私はめげない!だって、女の子だもんっ(はーと)女の子って強いんだぜ!でもだからって人の決め顔見て吐きそうな顔しちゃいけないんだぜ!
「吐き気するわホンマ」 「一氏さん酷すぎる!」 「本心や」 「…光くん以上に毒舌…!いーかげん泣きそうだよ私!」 「……死ね。勝手に泣け」 「えええええ」
さらに追い打ちをかけますか!つい泣きそうだと弱さを洩らしてしまったこの、か弱い乙女に向かって!
「おに!あくまーっ」 「……あー小春不足やわ〜」 「( シ カ ト !)」 「こはる〜」 「……しね」 「ああ?」 「すいませんっしたー!」
ああやっぱりだめだ反抗できないぜちくしょう!そんな鋭く睨まれたら謝るしかないじゃんか、このバンダナいけめん野郎!(褒めてないし!褒めてないし!)
「はー…こはるこはるこはr」 「ああもう!小春ちゃんの代わりなら私がしてあげるから!」 「…はあ?」 「ユウく〜ん、ロックオン!」 「…はああ?」 「漫才でもダブルスでも付き合うし!じゃなくて、つ、付きおーたる…わ、よ?」 「………きも」 「えええ」 「ヤメロ。小春が汚れるやろ」 「お前どんだけ?!」
けっこー自信あったのに!これで駄目ってことはなんてゆうか、一氏の中の小春ちゃんはもう聖母マリア並の高潔な存在なのかもしれない。うーん、だったら確かに私じゃ真似なんて出来ないな。てゆうか第一モノマネのプロ(的な存在)である一氏にとっては私のモノマネなんてモノマネのモの字も無いようなお粗末なモンだったのかもしれない。ガーン!
「おい」 「(うーん修行が必要かな)」 「おい」 「(せめてモの字くらい…)」 「おい!」 「うええ?!」 「うええて何やねん死なs」 「死なすど!」 「………」 「やった一氏の台詞とった!」 「…殺ス」 「えええごめんなさいいい!」
怖ぇぇぇええええ!
「…おい」 「はははい!」 「……財前のこと名前で呼んどるんか」 「え、今?さっき華麗にスルーして全く触れなかったのに…え、今?」 「うっさいわボケカス!」 「カスはひどいカスはひどい」 「…ちゅーかなんやお前、財前のこと好きなんか」 「(え、またシカト?)」 「…それとも付き合うとんのか」 「(総シカトですか)」 「おい、はよ答えろや」 「あ!はいっ………て、あれ?」 「なんやねん!」 「いや…その……」
なんてゆうか、
「一氏さん必死?」 「っはあ?!」
なんでそんなに急かすんだろ?分かりやすくイライラしてるし、必要以上に答えを急かしてる感じだし、その必死な感じじゃまるでなんてゆうか、早く否定しろって言ってるみたい。
「…んおお?!」
MA JI DE ?!
「別に必死ちゃうわアホ!」 「一氏さん一氏さん」 「どアホ!ボケ!カス!」 「ひとうじさんってば」 「ホンマ死なす!」 「………ユウジくん!」 「っ?!」
キレたみたいに大声でぎゃーぎゃー否定して私にボロクソ言っていた一氏は、私が名前を呼んだ途端ピタリと動きや言葉を止めて固まった。
そして彼、一氏ユウジは、
「だいすき!付き合って!」
今度はそう言った私に、顔から耳まで真っ赤にさせて「、アホ」と小さく呟いたのだった。
へたれなツンデレ王子様!
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たくす様から頂きました! キリ番踏んで無理やり書いてもらった一氏さんでっすw もうツボ過ぎるまじで!たすく最高!← ありがとうございました! 虚空(たすく様)
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