二次創作
□お昼寝
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「何やってンだァ、てめェはよォ?」
ガラの悪い発音で、銀髪色白の少年は自分の腹の上に寝そべっている少女の襟をつかんで引っ張り上げた。
「いたいいたいいたい〜!!ってミサカはミサカは涙目になってあなたを睨みつけてみる!!」
「人の上にまたがって何やってやがったンですかァ?」
「一緒にお昼寝したいってミサカはミサカはおねだりしてみる」
「はい却下ァ」
「やだやだやだやだぁ!ってミサカはミサカは駄々っ子交渉術を行使して強く訴えてみたり!!」
「クソうぜェンですけどォ」
「ミサカもミサカも一緒に寝たい〜!」
「あーうるせェしうっとおしいなァお前はよォ!このくッそ狭ェソファの上で暴れてンじゃねェよ!!」
狭いソファの上で暴れているのは打ち止め(ラストオーダー)と呼ばれる10歳前後の少女である。
その少女を摘まむようにして怒鳴っているのは、一見すると華奢な高校生くらいの体躯だが、かつて学園都市レベル5の第一位として君臨していた怪物、一方通行(アクセラレーター)だ。
「一緒に寝てくれないと代理演算MNW取り上げちゃうんだから!とミサカはミサカは冷たいあなたを脅してみる」
「…………………涎垂らすンじゃねェぞクソガキ…」
絞り出すようなすごむような声で、一方通行の負けが確定した。
鼻歌交じりの少女の体が再び華奢な一方通行の体の上に沈む。
「あったかいってミサカはミサカはうっとり…」
「あァそォ」
その温もりに安堵するのは少女だけではなかった。
「見て見て愛穂」
日差しの指すリビングで、買い物帰りの芳川と黄泉川はほほえましい光景に笑みを浮かべた。
「あいつら、なんだかんだで本当仲良いじゃんよ」
「写真写真」
携帯カメラで写しだされたのは、安らかな寝顔を浮かべた一方通行と打ち止めの姿だった。