二次創作
□映画を見よう
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―映画視聴開始30分後―
「すみません、ちょっと失礼致します」
そう言って、突然御狐神くんは立ちあがった。
驚いて見上げると、彼は優しく微笑んで台所に向かっていった。
映画を止めるべきだろうか、そう言えば喉が渇いたな。
取りとめもないことを考えていると、すぐに彼がグラスを手にして戻ってきた。
「凜々蝶さま、飲みませんか?」
差し出されたグラスにはアイスティーが注がれていた。
「すまないな、気を使ってくれたのか」
グラスを受け取ろうと伸ばした僕の手はスカッと空をつかんだ。
「………」
「凜々蝶さま、よろしければ…」
嫌な予感がした。
「口移しで飲まそうとか考えてないよな?」
「ご明察ですね」
フフ、と笑って彼はグラスに口付ける。
「おい、自分で飲めるって…」
こちらが言い終わる前に大きな手が伸びてきて、後頭部を優しく包まれる。
悔しいが、嫌じゃない自分がいた。
「……っ」
そっと唇が触れ、それと同時に項のあたりを撫でられたり、舌で唇を撫でられたりしているうちにこちらの唇が軽く開き、彼の含んでいた紅茶が流し込まれた。
「っん、ぁ…」
「…零れてしまいましたね」
口の端から零れた紅茶を追って、彼の熱い舌が跡を追う。
そのまま横向きに抱き寄せられた。
「可愛らしいお姿ですね、凜々蝶さま」
耳元で艶やかに囁かれた言葉にどんどん心音が上がっていき、このまま心臓が爆発するのではないかと不安になった。
「ああ、襟もとにも零れていますよ」
「あ、ちょっとやめっ…」
鎖骨の辺りに唇が押しつけられる感触がしたかと思うと、次の瞬間軽く吸い上げられた。
「ひゃぅ…」
ピリッとした刺激に、体が思うように動かない。
ビクビクと跳ねる体に困惑するが、すでに自分の制御は失っていた。
「み…みけ…つかみく…ん」
上がった息で彼の名を呼ぶと、御狐神くんは困ったような顔で笑った。
「申し訳ありません、凜々蝶さま、ちょっと調子に乗ってしまいました」
再び口付けられて、彼は僕の体を解放した。