夢小説 21

□バンパイア
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今日は、ハロウィン。

学園長の計らいで、ここ薄桜学園は、毎年ハロウィンパーティーが、放課後行われるのです。

それぞれが仮装をして、学校内を歩き、「トリック オア トリート」と言う言葉が、いろんな場所で聞かれる、そんな1日。
そして、夜には その仮装のまま、立食パーティー。
なので、毎年ハロウィンの日は、薄桜学園では ちょっとしたお祭り騒ぎになっています。


「あれ?原田先生、どこ行ったんだろ?」

魔女の格好をした私は、キョロキョロと辺りを見回し、原田先生の姿を探す。
さっきから、原田先生がいそうな場所を探しているんだけど、一向に見つからない。

「おかしいなぁ…」

ポツリ呟いた時、いきなり腕を捕まれ、そのまま目の前の理科室に連れ込まれた。

「きゃっ」

咄嗟に身の危険を感じた私は、大声を出そうとしたが、後ろから口を塞がれ、それを阻止された。


ヤダ!
怖い!
助けて、原田先生!!


思いながら、少しでも抵抗しなくちゃと、手足をバタバタされる。
すると

『俺だ』

その声に、動きを止め 振り返る。

「原田先生」

原田先生の顔を見た途端、さっき迄の怖い思いが消え、それと同時に安心した私は、力が抜け、ふにゃふにゃと床に座り込む。

「もう、怖かったんですからぁ」

半ベソで そう言う。

『すまねぇ、怖がらしちまって』

大好きな原田先生の、その大きな手が、私の頭を優しく撫でる。

『女子生徒に捕まりそうだったんで、隠れてたんだよ』

「そうだったんですか」


原田先生、人気あるもんね。
妬けちゃうな…。
それに、ハロウィンて事で、原田先生は吸血鬼の格好。
これがまた、ハマリ役って思っちゃう程に素敵。


なんて考えてると

『その格好は、魔女か』

原田先生に言われる。

「はい」

『随分とセクシーな魔女なんだな』

ニヤリとしながら言うけど、原田先生の目は、全然笑っていない。

「そうですか?全然セクシーじゃないと思いますけど」


どこがセクシーだって言うんだろ?
スカートだって、ロングだから足は見えないし。


原田先生の言っている事がわからなくて、思わず首を傾げる。

『なんだ?本当にわかんねぇのか?』

コクンと頷くと、

『胸元が開いてるじゃねぇか』

言いながら、黒いワンピースの胸元をクイッと引っ張られる。

「やんっ」

『可愛い声、出してんじゃねぇよ。ったく、んな格好で歩き回りやがって』

「でも、このくらいなら、胸元が開いてるうちに入らないと」

言いかけたけれど、原田先生の言葉で遮られた。

『彼氏の俺が言ってんだ。胸元が開いてると言ったら、開いてんだよ』

言いながら、原田先生は私の首筋に顔を埋める。

「ちょっ、原田先生…ここ、学校」

『んなの関係ねぇよ』

首筋で言ってから、顔を上げて続ける。

『今日はハロウィンだろ。で、お前が魔女で、俺が吸血鬼だ。吸血鬼の俺は、お前の血を吸う。な、お決まりだろ?』

言い終わると、再び私の首筋に顔を埋めた原田先生が、私の首筋あたりをチウと吸い、ピリリと甘い刺激が私を襲う。



でも、私だけの吸血鬼さんは、これだけじゃ物足りなくて、結局私を食べてしまうんだと思う。
そして私も、吸血鬼さんに食べられるのを、待っている。


―終り―


当サイトのWeb拍手のお話にしては非常に珍しく、ちょっと長めです←当社比(笑)
バンパイア左之さん、絶対お似合いですよね!
想像して、思わず萌えちゃいます(>∀<)
黒のマントを翻す、フェロモン垂れ流しの、バンパイア左之さん。
思わず見惚れちゃいます♪
自分から「血を吸って下さい」と頼んでしまいます(笑)
あぁ、また妄想が止まらない美夜でした。

ではでは、最後迄 読んでいただき、ありがとうございました。

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