夢小説 18
□お茶
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「斎藤さん、お帰りなさい。お疲れ様でした」
巡察から帰ってきた斎藤に、声をかける。
だんだんと暑くなってきた今日この頃。
特に今日は、お日様が照っていて暑い。
案の定、斎藤も額に汗をかきながら帰ってきた。
それに気付き、直ぐ様 手拭いを持って来て、斎藤に渡す。
「斎藤さん、使って下さい」
『すまない。助かる』
言って受け取り、汗を拭う。
そんな斎藤を見ながら
「今、お水をお持ちしますね」
言って、踵を返そうとするが
『いや、水ではなく、お茶を頼みたい』
「え?お水でなくて、お茶でいいんですか?熱いお茶を飲んで、余計に暑くなりませんか?」
『大丈夫だ。熱いお茶の方が、ほっと一息つけるからな』
そう言うと、笑顔で答える。
「はい、わかりました。では、お茶をお持ちしますね」
ぱたぱたと、お茶の用意をしに行く後ろ姿を見ながら、
『本当は、お茶を飲むのが ほっとするのではなく、お茶を飲んでいる間、あんたが隣にいてくれるのが、ほっとするのだ』
と、ぽつりと呟いた。
―終り―