夢小説 17
□良薬、口に苦し
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「沖田さん、お薬飲んで下さいってば!」
『嫌だよ、その薬 すっごく苦いんだもん』
「でも、良薬口に苦しですから、きちんと飲んで下さい。そうじゃないと、風邪が長引いてしまいます」
『良薬口に苦しって言うけど、それ 良薬じゃないよ。石田散薬だし』
「またそんな事言って。とにかく飲んで下さい。飲んで下さらないなら、もう 沖田さんとお話しませんから」
そう言って 頬を膨らませて、ぷいっとそっぽを向く君。
相変わらず 可愛いよね、そういうとこも。
でも、君のご機嫌を損ねたくないから、ここは言う事を聞いておくよ。
僕は、目の前にあった石田散薬の包みを開け、口に水を含んで薬を流し込む。
『う…不味』
あまりの苦さに顔を歪めている僕と対象的に、薬を飲んだ事に満足そうな君。
『薬 苦いから、口直し』
そう言ってから、僕は君の甘い唇を楽しむんだ。
―終り―
【後書き】
最後迄読んでいただき、ありがとうございました。