夢小説 17

□良薬、口に苦し
1ページ/1ページ


「沖田さん、お薬飲んで下さいってば!」

『嫌だよ、その薬 すっごく苦いんだもん』

「でも、良薬口に苦しですから、きちんと飲んで下さい。そうじゃないと、風邪が長引いてしまいます」

『良薬口に苦しって言うけど、それ 良薬じゃないよ。石田散薬だし』

「またそんな事言って。とにかく飲んで下さい。飲んで下さらないなら、もう 沖田さんとお話しませんから」

そう言って 頬を膨らませて、ぷいっとそっぽを向く君。


相変わらず 可愛いよね、そういうとこも。
でも、君のご機嫌を損ねたくないから、ここは言う事を聞いておくよ。


僕は、目の前にあった石田散薬の包みを開け、口に水を含んで薬を流し込む。

『う…不味』

あまりの苦さに顔を歪めている僕と対象的に、薬を飲んだ事に満足そうな君。

『薬 苦いから、口直し』

そう言ってから、僕は君の甘い唇を楽しむんだ。


―終り―


【後書き】
最後迄読んでいただき、ありがとうございました。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ