夢小説 22
□ウサギ
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「ねぇ、左之。ウサギって、寂しいと死んじゃうだって。だからね、私 ウサギじゃなくて良かったなって、思ったの」
『何で急に そうなっちまうんだ?』
「だって、私が寂しがりだから、ウサギだったら、直ぐ死んじゃうよ?」
俺を見上げて言うお前を、すかさず抱き寄せて
『例え お前がウサギでも、死なせやしねぇよ。だいたい、いつ お前に寂しい思いをさせたんだ?毎日毎日 これでもかっつうくらいに愛してんのによ。それとも、俺の愛が伝わんねぇか?』
言うと、お前は ふるふると首を横に振ってから
「ううん、そんな事ない。ちゃんと、わかってるから。私、左之に いっぱい愛されて大事にされて、幸せだよ。ごめんね、さっきのは、ちょっと言ってみただけだから」
でけぇ瞳で俺を見つめて言う様は、飼い主を欲している 小さなウサギのようで、壊さないように 優しく優しく、胸の中に閉じ込めた。
―終り―