すきなのは…

□グリムジョーと小さな破面とウサギのぬいぐるみ
1ページ/11ページ


「あー、腹減った〜…」



オレは早く自分の宮に戻りたくて、藍染の部屋を足早に出た。


そのとき…



「ひっく…ひっく……」



すすり泣く声。 おばけなんか、いねぇよなー。 しかも昼間に。


オレはとりあえず、声の聞こえる方へ行ってみた。


姿を確認して、ひとまず安心する。


どうみてもおばけじゃねぇな…、白いけど。   破面(あらんかる)なのか…?


でも、オレが日ごろ見ている破面より随分小さいと言うか……、子供だった。


人間で言う3、4歳くらいだ。



「おい。どうしたんだよ?なんで泣いてんだ?」


「ウルのうさぎさん…、っく…まいごになっちゃった……」



そう言いながら、目にいっぱい涙をためる。



「あぁ〜っ…、泣くなって。ホラ、アメやるから、な?」



オレが上着のポケットからアメを出すと、嬉しそうに目を輝かせた。



「口開けろよ。入れてやるから」


オレに言われるまま、あーんと大人しく口を開ける。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ