すきなのは…
□グリムジョーと小さな破面とウサギのぬいぐるみ
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「あー、腹減った〜…」
オレは早く自分の宮に戻りたくて、藍染の部屋を足早に出た。
そのとき…
「ひっく…ひっく……」
すすり泣く声。 おばけなんか、いねぇよなー。 しかも昼間に。
オレはとりあえず、声の聞こえる方へ行ってみた。
姿を確認して、ひとまず安心する。
どうみてもおばけじゃねぇな…、白いけど。 破面(あらんかる)なのか…?
でも、オレが日ごろ見ている破面より随分小さいと言うか……、子供だった。
人間で言う3、4歳くらいだ。
「おい。どうしたんだよ?なんで泣いてんだ?」
「ウルのうさぎさん…、っく…まいごになっちゃった……」
そう言いながら、目にいっぱい涙をためる。
「あぁ〜っ…、泣くなって。ホラ、アメやるから、な?」
オレが上着のポケットからアメを出すと、嬉しそうに目を輝かせた。
「口開けろよ。入れてやるから」
オレに言われるまま、あーんと大人しく口を開ける。