すきなのは…
□Happy Birthday
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「え…それじゃあ、で、デートってこと……?」
「そうなるな。つーわけで、行くぞ」
「あ、ま、待って!」
オレは残っていた紅茶を呷って、足早に店をでようとするグリムジョーを追いかけた。
「オレ、ウルとプリクラ撮りてぇんだけど…」
「いいよ、行こう」
プリクラか…。
現世に遊びに来ることがないオレには、初めての物だ。
・:*:・゜'★,。・:*:・゜'☆・:
写真を撮って落書きした後、オレは辺りを見回した。
ここにはオレがやったことのないゲームがたくさんある。
これをこの後グリムジョーと一緒にやると思うと、わくわくの他に、
何だか照れくさいような気持ちになった。
「ウル、何見てんの?」
グリムジョーに声を掛けられて、一瞬胸が高鳴った。
「あ…あのゲーム、楽しそうだなって……」
「じゃあ、後でしよっか」
「うん」
そのとき、カタと音がしてプリクラが出てきた。
グリムジョーはそれを取るとオレに渡してくれた。
オレがその出来に満足していると、不意にプリクラを見ていたグリムジョーの顔色が険しくなった。
「グリム…「お前さ、ウルキオラだろ?」
な、何で!?
「ち、違う」
オレは、半無意識に目をそらした。
「視線そらすってことは、やっぱりウルキオラか。
お前がした落書き、全部オレにバカって書きやがって…、
こんな人を小ばかにするようなやつはウルキオラ以外しらねぇしな」
これはきっと誤魔化せないな、
「すまない。騙すつもりはなかったんだが……」
「まぁいいっか。…とにかく一旦帰ろう。
お前もそんな格好、いやなんだろ?」
「で、でも…」
オレはやりたいゲームをちらりと見た。
「何やってんだよ、早く帰るぞ」
「う、うん…」
オレは強制的に帰らされた。