SKET DANCE 夢小説
□一回は一回
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「佐介くん、あとどれくらい?」
「もう少しで終わる」
短い返事に、瑞紀はため息をついた。
一緒に帰る約束をしているのだが、椿の生徒会業務が長引いてしまい今に至る。
キリとウサミは修学旅行、デージーとミモリンは用事があるとのことで、
今日の生徒会は椿一人だけなのだ。
初めは瑞紀もスマホで遊んだりして時間を潰していたのだが、
だんだんをやることがなくなっていた。
(退屈・・・)
暇すぎておかしくなりそうだ。
瑞紀は椿の座っている会長席に近づいて「佐介くんっ」とその名を呼んだ。
「ん?なんだ・・・・・・っ!」
振り向いた椿にキスをする。突然のことに椿は目を見開いたままフリーズしてしまっている。
そして唇を離すと、椿の顔がみるみる真っ赤に染まっている。
「お・・・おおおお愚か者ッ!ここは学校だぞ!!////」
「退屈だったから!充電っ!!よし、オッケー♪」
満足したのか、瑞紀は椿から離れていく。
「逃がさんぞ」
椿は、瑞紀の手を摑んだ。
「え、何佐介く・・・」
そのまま瑞紀の身体を引き寄せ、何かを言おうとした彼女の唇を塞ぐ。
「んっ・・・・・・」
今度は瑞紀が驚く番だった。
少しして、椿が唇を離す。
「ど・・・どうしたの佐介くん・・・・・・////」
「キミから仕掛けてきたんだろう・・・一回は一回だ」
そう言う椿の顔も少し赤い。
「ズルい・・・・・・」
「ん?」
瑞紀の言葉に、椿は少し意地悪な顔で訊き返す。
「・・・そんなこと言ったら、止まんなくなっちゃうじゃん・・・・・・!!」
「・・・すぐに仕事を片付ける。終わったら、続きをしよう」
そう言って瑞紀の額にキスをして、椿は仕事に戻る。
(佐介くんの・・・ばか)
瑞紀は、真っ赤な顔に両手を当て椿を見つめた。