BOOK 〜初めての恋〜 2

□Lay Down
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学校にいるときよりしんどいな…
熱あるかもって思ったら酷くなった…
あたしの体って単純だな…。


「にゃんにゃん、大丈夫?
さっきよりしんどそう…。
俺が変わってあげれたらいいのに…。」


優ちゃん…その気持ちだけで十分だよ…
ありがとう…


「…大丈夫…でも体熱い…」


「にゃんにゃん…っ。
俺んちの方が近いから俺んち行こっ!」


「…どこでも…いい…。
…頭痛い…」


「とりあえず俺んちで休もうっ!」


優子の家に着き、陽菜をベッドに寝かせた。


優子は冷えたタオルを陽菜のおでこにのせた。


「にゃんにゃん、熱測ろうか。
脇挟んで。」


「…うん…。」


しばらくしてピピッと体温計が鳴った。


「うわっ、8度6分もあるよ…っ。
そりゃしんどいね…。
解熱剤飲める?」


「…うん…飲む…。」


陽菜は上体を起こし薬を飲んだ。


「にゃんにゃん、制服だから俺の服に着替えよ。」


優子はTシャツと部屋着の短パンを陽菜に渡した。


陽菜はブラウスのボタンを外していく。


うわぁ〜わぁ〜、ダメダメ…


優子は背を向けた。


…俺最低だな…。
こんなときなのに…


陽菜は服を着替え再びベッドに寝た。


「…優ちゃん…ありがとうね…」


「そんなの全然いいからっ。
ゆっくり寝なね。」


「…陽菜が寝るまで手繋いでて…?」


「う、うん…っ//」


優子はベッドの横に椅子を置き腰をおろした。
椅子に座りながら陽菜の手を握る。


しばらくするとスーッと寝息をたてた。


優子は手を離しおでこのタオルを取り冷えピタに変えた。


よし、これで寝返りうっても大丈夫。
にゃんにゃんしんどかったよね…
俺が寝坊なんかしなかったら学校行くまでに気付いてあげられたかもしれないのに…


優子は陽菜の頭を撫でる。


ホント綺麗な顔してる…
こんなときに不謹慎かな…
すげぇ色っぽい…。






だいぶ時間が経ち陽菜は目を覚ました。


「…う〜ん……あれ、ここどこ…」


あぁそっか、優ちゃんちだ…
あのまま寝ちゃったんだ。


陽菜は上体を起こした。
優子は椅子に座りながら寝ていた。


優ちゃん…ずっと手繋いで側にいてくれたんだ…
ありがとう…。


「…あれ…にゃんにゃん起きた…?
俺もいつの間にか寝ちゃってた…
体どんな感じ?」


「優ちゃんありがと…っ。
もう頭も痛くないし体も楽だよ。」


「そっか、良かった…。
一応熱測ろっか。」


陽菜は体温計を脇に挟み音が鳴るまで待つ。
ピピッと体温計が鳴り、見てみると36度2分まで下がっていた。


「熱下がったねっ。
でも無理しちゃダメだよ。」


「うん。
ってか今何時?!」


陽菜は時計を見る。


「わっ、もう夜の10時だ…っ。
ヤバイ、帰らなきゃっ。」


陽菜はあれから10時間ほど死んだように眠っていた。


「待って、にゃんにゃん。
家には連絡してあるからっ。
今日は無理しないように俺んちに居なね。」


「…えっ?
そうなの…?」


「うん。
連絡してるから大丈夫だよ。
今日はここでゆっくりして明日帰ろ。」


「…ありがとう……お父さん達なんも言ってなかった?」


「心配はしてたけど大丈夫。」


グゥ―――


陽菜のお腹が鳴った。


「わっ、ご、ごめん…っ//」


「ヘヘッ、お腹空いたよね。
うどんとかなら食べれる?」


「うん、いいの…?」


「いいよ。
一緒に食べよっ。
リビング行ける?歩ける?」


「大丈夫、ありがとう。」


優子と陽菜はリビングに移動した。
リビングでは父がソファで横になりくつろいでいた。
優子たちがリビングに入ると父は起き上がった。


「あっ、陽菜ちゃんもう大丈夫なの?」


「はい、大丈夫です。
すいません…今日お世話になります。」


「いいよー。
今日はゆっくりしていきな。」


「はい、ありがとうございます。」


「にゃんにゃん、テーブル座っときな。
うどん作るね。」


優子はキッチンに入りうどんを作る。
陽菜はカウンター越しに見る。
しばらくしてうどんが完成し、二人で食べた。


「美味しかったー。
優ちゃん料理上手。」


「そうかなー、デヘヘッ。
部屋戻ろっか。」


二人は部屋に戻りソファに座る。


「熱下がって良かった。
にゃんにゃんお風呂入りな。
汗かいたでしょ。」


「お風呂までいいの?
なんかお世話になりっぱなし…」


「そんなの全然いいから。
先に入っておいで。」


「ありがとう。」


湯船に浸かりながら今日1日のことを考える。


凄い状況だなー。
優ちゃんちのお風呂に入ってるしお泊まりするし…
優ちゃんちにあたしが居ても変じゃないって嬉しいなー…


お風呂から上がり優子に借りたTシャツに着替えて部屋に戻った。


「優ちゃん、お風呂ありがと。
スッピンだからあんま見ないでね。」


「あ、うん…
Tシャツぶかぶかで可愛い…っ//」


「そうかな…っ//
優ちゃんの匂いがするよ//」


「あぁもう、ヤバイなー…//
ダメだ、お風呂入ってくるっ。」


優子はそそくさとお風呂に向かった。


うわぁ、やべぇ。
可愛すぎる…っ。
一緒に居て我慢できっかな…


優子が部屋に戻ると陽菜は髪の毛を乾かしていた。


綺麗な髪の毛だなー。
顔も綺麗で可愛いしホント俺には勿体ないぐらい完璧な彼女だな…


髪の毛も乾かし終え二人でソファに腰をおろした。


「にゃんにゃん、ベッドで寝なね。」


「優ちゃんは?」


「…俺はソファで寝る。」


「何でー…?
じゃあ陽菜もソファで寝るもんっ。」


「ダメ。
にゃんにゃんはベッド。」


「じゃあ優ちゃんもベッド。」


「いやぁ、それはマズイ…。
お願い、今日はソファで寝かせて。」


「…分かったよ〜…いいよ、もう…。」


にゃんにゃんは何も分かってない…
男がどんなけエロいか。
エッチしたくなるよ…
でも病み上がりの彼女抱ける訳ない…


陽菜は唇を尖らせ拗ねていた。
優子を無視しベッドに寝た。


「…おやすみ、優ちゃん。」


「あ、うん、おやすみ…」


優子は電気を消しソファに寝転んだ。


はぁ…、拗ねてるにゃんにゃんも可愛くて仕方ない…
一緒にベッドに入って何にもしない自信なんてないよ…


はぁ…、あたし子供だな…
拗ねてふてくされて…優ちゃんが優しいから甘えてしまう…


陽菜が寝返りをうってゴソゴソと響く音にでさえ優子の胸はドキドキと高鳴っていた。


あぁー、もう知んねー。
にゃんにゃんが悪いっ…


優子はベッドに移動し布団の中に入っていった。


「…ゆう…ちゃん…?
ビックリしたっ。」


「…待ってた?」


「な、なに言ってんの…っ。
そんなことないもん…っ//」


「ふ〜ん、じゃあソファ戻ろっかな。」


「やだっ、待って!」


陽菜は優子のTシャツを掴んだ。


「…マジでかわいー…//
なんなの、マジで…やべぇ…。」


「優ちゃん、ありがとう…。
拗ねちゃってごめんね…」


「気にしてないよ。
そんなにゃんにゃんも可愛い…。
腕まくらしてあげるっ、ヘヘッ。」


優子は腕を伸ばし陽菜の頭をのせた。
陽菜は優子の胸に顔を埋めた。
優子は陽菜の頭をクンクンと匂う。


「にゃんにゃんいい匂い〜。
細いし白いし女の子だね…」


「…優ちゃんがそうやって女の子って言ってくれるの…凄い嬉しいの…//」


「…いつも思ってる…。
だからいつもドキドキしてる…。」


「あたしも優ちゃんが男の子っていつも思うから…ドキドキしてる…。」


「…この前も言ったけどエロいよ、俺。
男の子っていうかエロオヤジ〜。」


「ハハッ、あたしにだけならいいよ//」


陽菜は優子の胸から顔を離し唇にチュッとキスをした。


「ちょ、やばいっ…//」


優子は陽菜をギューッと抱き締めた。


「…俺の当たってる…?」


「う、うん…//
恥ずかしいよ…っ//」


「…ちゅー…しよ…。」


「うん//」


二人は何回も唇を合わせた。
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