BOOK 〜初めての恋〜 2

□366日
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「夜ご飯までどうする?
陽菜の家いる?」


「そうだね。
にゃんにゃんち久しぶりだ。」


陽菜の家に入ると母親がリビングから玄関にやってきた。


「あら〜、優ちゃん久しぶりだね。
もうデート終わったの?」


「お久し振りです。
いえ、また夜ご飯食べに出ていくんですけどそれまでお邪魔します。」


「へぇ、そうなの。
じゃあまた今度夜ご飯食べにいらっしゃいね。」


「はいっ、ありがとうございます!
お邪魔します。」


二人は陽菜の部屋に行き、優子はソファに座る。


「優ちゃん、荷物ありがとうね。
ご飯って何時から予約してるの?」


「いいえ。
7時30分からだよ。
まだちょっとゆっくり出来るね。」


「そだね。」


陽菜は買った服を広げながら適当に返事をする。


やっぱこのワンピース可愛い。
買って良かったー。
次のデートにこれ着ていこうっ。


「ねぇ、にゃんにゃん。
それ着てみてよ。」


「やだよー。
次のデートに着るの。」


「ヘヘッ、じゃあ我慢する。
その変わりにさ、今日最初に着てたスカート着てよ。
俺の勝手で着替えさせちゃったし。」


勝手とか思わないよ。
ヤキモチ妬いてくれたの嬉しかった…
今までもあったのかな。
そうだと嬉しいな…。


「勝手なんて思ってないよ。
仕方ないから着替えてあげるっ。」


「ハハッ、お願いします。
ここで着替えてよ。」


「はっ、無理だしっ//」


「ぶー。
いいじゃん、いいじゃん。
にゃんにゃーん、お願い。」


そんな顔で見ないでよぉー…
ズルいよ…


「…恥ずかしいから…やだ…っ。」


「…分かったー…。
じゃあ早く着替えてきてぇ。」


「待っててね。」


そう言うと陽菜は部屋から出ていった。


はぁ、やべぇな俺。
完璧に変態だよな…
でもにゃんにゃんの部屋いい匂いで女の子の部屋って感じで…何回来てもドキドキする…。


優子は陽菜のベッドに移動し手でベッドを押す。


ギシッ…ギシッ…とベッドが鳴る。


うわっ、俺なに確認してんだろっ…
変態過ぎて自分に引くわ…
…でもエッチしてぇー…
にゃんにゃんが可愛いんだもん。
しゃーないべ、うん。


しばらくして陽菜が着替えて部屋に戻ってきた。


「……やっぱ可愛い…//」


「ありがとう…//」


「やっぱそれでデートした方が良かったのかなー…、でもそれだったら見られるし…」


優子は一人でぶつぶつと呟いた。


二人はソファに腰をおろす。
優子はピタッと陽菜にくっつく。


優ちゃん可愛い。
甘えん坊…
陽菜しか知らない顔だよね…
幸せだな…。


優子は陽菜の太股を触る。


「…くすぐったいよー…っ。」


「ヘヘッ、柔らかくてスベスベ〜。
この太股も俺の。」


「〜っ//
恥ずかしいよ…。」


陽菜の手を触る。


「キレイな手。
小さくて指も細くて。
これも俺の。」


陽菜の髪の毛に指を通す。


「サラサラ〜。
いい匂いだしキレイ。
これも俺の。」


「〜っ優ちゃん…っ、恥ずかしいよ…。
陽菜は優ちゃんのだから…//」


「っ照れる…//
嬉しい。」


「…ねぇ優ちゃんにねスカート短いって言われたとき…嬉しかったよ…//」


「…嫌な気持ちにならなかったの?」


「何で?ならないよ。」


「だってせっかくお洒落してくれたのに着替えさせちゃったし…。
でもやっぱ凄い似合ってて可愛い…//」


「ありがと。
優ちゃんにそんなこと初めて言われたから嬉しかったの。
だってそれって…ヤキモチ妬いてくれたんでしょ…?//」


「…えっ、そっか…そうだよね…//
ヤキモチか…」


「うん、だから嬉しかった。」


「…男のヤキモチってキモくない…?」


「優ちゃんだから嬉しいよ。」


「じゃあさ、この際だし言っていい?」


「…んー、なに?」


「にゃんにゃんいつもいい匂いするじゃん、それも俺だけしか匂わなくなってほしい…。」


「無理だよ〜っ//
…でも嬉しい…//」


わぁ、なにこれ…嬉しすぎる…
優ちゃん可愛い…。


「あとさ、制服も太股見えるじゃん、あれも俺だけしか見えてほしくない。」


陽菜は優子の頭を撫でる。


「夏になると制服ブラウスだけになるじゃん、それも嫌だ。」


優ちゃん…好きだよ。
好きで好きでどうしようもない…


「まだまだいっぱいあるけどこれで最後にする…。
にゃんにゃんが可愛すぎて…他の男にはこの可愛さ伝わってほしくない…。」


優ちゃん…っ。
愛しいな…大好き…っ。


「引いた…?」


「…引いてない、嬉しい…っ。
でもね…、太股も髪の毛も体も陽菜に触ってもいいのは優ちゃんだけだよ…//」


「はうっ、やばっ…。
可愛すぎだって…//
…にゃんにゃんは言いたいことある?
1年記念だし普段思ってること全部言っちゃおうよ。
好きなとこも、ここは嫌ってとこも。」


「…うんっ。」


優子は陽菜を向かい合わせで膝の上に乗せた。


「よし、これでオッケ。
にゃんにゃん何かある?
何でもいーよ。」


「…今のも反則だよ…っ。」


「今の?」


「ヒョイって簡単にあたしのこと持ち上げるじゃん…、それ…//」


「わぁ、そっか…嬉しい。
これ照れる…//
他は?」


「女の子扱いしてくれるのも…
凄い嬉しい…っ。」


「女の子だもん。
にゃんにゃんは俺のお姫様だから。」


「絶対車道側歩いてくれるでしょ。」


「あぁ〜、確かにそうかもね。」


「ほら、自然に出来ちゃうんだよ。
他にも…荷物も持ってくれるし…っ。」


「ヘヘッ、照れる。」


「エスカレーターに乗るときは絶対に下にいてくれるでしょ。」


「あぁ〜うん、そうだね。
落っこちたら危ないしスカート履くからパンツ見られちゃうじゃん。」


「それがいつも嬉しいの。
ありがとう…っ。」


こんな優しい彼氏って他にいないよ…
優ちゃんの彼女になれたあたしは幸せ者だな…


優子は陽菜をギューッと抱き締めた。


「んー?
どうしたの?」


「うん、凄い…好きだなぁって。」


「〜っ//」


陽菜は優子の顔を見ようと体を離そうとした。
そんな陽菜をギュッと強く抱き締めた。


「恥ずかしいからこのまま聞いて。」


「うん…っ//」


「俺さ、恋するのってこんなに幸せで楽しいことなんて思わなかった…。
連れとか見ててもドロドロしてたり大変そう〜って思ってた。
でもにゃんにゃんに恋して一緒に恋をすることが出来てさ、俺って凄い幸せ者だなぁって思った。」


「…優ちゃん…。」


「こんな可愛い彼女が横にいてくれて、俺のことを見つめてくれてるって…こんな幸せなことってないよ。
この世に絶対なんて言葉ってないけど…もしあるとしたら…にゃんにゃんがいたら俺が絶対幸せなんだ。」


「…っ…グズッ……ゆう…ちゃん…っ…」


「これからも俺たちらしくゆっくり歩んでいこうね。」


優子は抱き締めていた腕をゆるめた。


陽菜は優子から体を離した。


「ハハッ、泣いてる。
これからもたくさん泣かせちゃうかもしれない…でもその倍嬉し涙になるようにする。」


「…ありがとう…っ。
あたしも…優ちゃんが大好きだよ…//
これからもあたしだけを見て…っ。
あたし以外の女の子見ちゃやだ…」


「う、うん…//
可愛い…ホント可愛い…っ//」


可愛いって言われるの幸せだな…
もっと優ちゃんに可愛いって思われたくて言われたい…
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