BOOK 〜初めての恋〜 2

□366日
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6月下旬 梅雨
二人が付き合ってちょうど1年


幸い雨は降らなかったもののジメジメし額にはうっすらと汗がにじむ。


優子の服装はTシャツに足首までロールアップしたズボンと、夏がすぐ側まで来ていることを予感させる。


あち〜。
湿気で体がベタベタする…
でも雨降らなくて良かった。
なんたって今日は一年記念〜…ヘヘッ


汗を拭いながらいつも通りルンルンで陽菜の家に向かった。


少し早めに着き陽菜が出てくるのを野球の素振りなんかをしながら待つ。


「野球?
ごめんね、待った?」


わっ、可愛い…


「待ってないよっ。
…髪の毛おだんご可愛いね…//」


「…ありがとう…っ//」


服装は薄手のカーディガンにスカートと陽菜によく似合っていた。


やべっ…なんなのこれ。
今日も相変わらず可愛すぎんだけど…//
…でもスカートがちょっと短い…。
それでなくても目立つのにこんなに短かったらいろんな奴に見られちゃう…


わぁ、今日も優ちゃんカッコイイ…//
腕の筋肉が凄くてドキドキする…。


「…ねぇにゃんにゃん…。」


「なにー?
今日渋谷行くんだよね?」


「うん、そうなんだけど…だから余計にさ…ちょっと…。」


「…なに…?」


陽菜は不安そうな顔を浮かべる。


「…うん、あのさ…ちょっとスカート短いかな〜って…。」


「…そうかな?
似合わない…?」


「いやっ、むしろ似合いすぎててにゃんにゃんの為の服!って感じなんだけどさ、……こんな短かったら…他の男に見られちゃう…からさ…っ。
渋谷とか余計に…。」


優子は申し訳なさそうに陽菜を見る。


「―っ//」


えっ、もしかしてこれって……
ヤキモチ妬いてくれたのかな…//


「…えっ、なになに?
何で照れるの、怒らないの?」


「なんもない…っ//
優ちゃんのバカ…っ!
…着替えてくるから待ってて!」


そう言うと走って着替えに戻った。


ありゃ行っちゃった…
でも嫌な顔されなくて良かった…。
服装のこと言われるの嫌かなって思ったから…。
だって逆にそのTシャツ変とか言われたらショックだもん。


わぁわぁわぁ!
優ちゃんに初めてそんなこと言われた…
嬉しい…っ。
どうしよー!顔がにやけちゃうよ〜//


5分ぐらい経って陽菜が出てきた。


「・・・・・。」


「…なんか言ってよ…。」


「…いや、ホント可愛い…っ//
パンツスタイルあんま見ないからギャップって言うか…何か照れる…//」


「〜っ//
…あたしが照れるんだけど。」


優子は左手をを差し出す。
陽菜は右手を重ねた。


「ねぇにゃんにゃん、今日行きたいところある?」


「109で服買いたい〜。」


「うん、行こうね。
ほかは?」


「優ちゃんに任せるー。」


「分かった。」


駅に着き優子が切符を買う。


「はい、にゃんにゃんの。」


「…ありがとう。」


優ちゃんいつもお金出してくれる…。
あたし払うって言っても受け取ってくれないし…
何で優ちゃんってこんなにあたしのこと女の子扱いしてくれるんだろう…


「うん。
土曜だから人多いだろうねー。
…ずっと手繋いでいようね…//」


「うん…//」


電車に揺られ渋谷についた。
やはり土曜日ということもあり、人で溢れていた。


「うげっ、やっぱ人いっぱいだー。
どうする?先買い物しよっか?」


「そだね。」


109に行き優子は陽菜に手を引かれ付いていく。


陽菜は色んな店に入っていく。


「ねぇ、優ちゃん。
これどう?変かな?」


「うん、ワンピースも可愛いけどにゃんにゃんが可愛い。」


「恥ずかしいから…っ。」


「わっ、ごめん…っ、似合うよ//」


うわぁ、俺また無意識に恥ずかしいこと言っちゃった…//
だって店員さんより誰よりにゃんにゃんが可愛いんだもん。


陽菜は服を数着買った。


「にゃんにゃん、荷物。
ほれっ。」


右手を差し出す。


「重くないし大丈夫だよー。」


「いいから、貸して。
にゃんにゃんの右手は俺と手繋ぐからあけてなきゃ。」


また女の子扱いだ。
いつも荷物も持ってくれるし…。
好き、大好き…っ。


「…ありがとうっ…。」


「うん。
これからどうしようか。
ちょっと休もっか。」


「うん。
デザート食べたいー。」


「いいよ。
ここ入ろっか。」


店に入り席に座る。
店内には女子高生や若いカップルがたくさんいた。


陽菜はメニューとにらめっこしている。


ハハッ、迷ってる迷ってる。
にゃんにゃん可愛いな。


「…ねぇ優ちゃん、見すぎ…。」


「ヘヘッ、好きなの頼みなね。」


「うん、でもたくさんあるから迷っちゃうの。優ちゃんはどれがいい?」


「俺いらないよ。
コーヒーだけでいい。」


「えぇー、そうなのー?」


「うん。
にゃんにゃんの一口貰うよ。」


「うーん、じゃあこれにする。」


陽菜はイチゴパフェとティーを頼んだ。


しばらくしてパフェが運ばれてきた。
陽菜は美味しそうに食べ始めた。


「美味しい?」


「うんっ、美味しい。
いる?」


「一口だけちょうだい。
食べさせて//」


「うん…っ//」


『あ〜ん…//』


パクっ


わぁお、これは恥ずかしいぞ…//
俺たちバカップルだな…//


陽菜は美味しそうにパフェを食べる。


「女の子ってホント甘いもの好きだね」


「美味しいもん。
でも太っちゃう…。」


「全然細いよ。
俺にゃんにゃんの体大好き。」


「〜っ//
変態優ちゃん…。」


もう、恥ずかしいよ//
でも嬉しい…。
あたしも優ちゃんの体好きだよ…


「わぁ、また恥ずかしいこと言ったね//
でもホントにそう思ってるから気にしないで好きなの食べてっ//」


「うん…//」


食べ終わり少しゆっくりして店を出た。


「優ちゃん、ごちそうさまでした。」


「いいえ。
これからどうする?
せっかくの1年記念なのに俺ちゃんと計画してなくてごめんね…っ。」


「ううん、そんなの全然いいよ。」


だって一緒にいれるだけど嬉しいもん。
あたしホント優ちゃんが大好きだな。
今日は帰りまでに恥ずかしがらずちゃんと気持ち伝えよう…


「夜ご飯は地元で食べよ。
場所決めてるからさ。」


「うん、分かった。
じゃあもう地元帰る?
優ちゃんは行きたいところないの?」


「特にないよー。
地元帰ろっか。」


夕方頃に地元に着き買った荷物を置きに陽菜の家に向かった。
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