転校生のあのこ
□1話
1ページ/1ページ
私、鳥遊紫音は季節はずれの新しい制服に袖を通し、身支度をする。
今まで通っていた万能坂中から天河原中へと転校することになったから。
初めての学校はとっても緊張する。
学校に着くと、担任の先生が迎えてくれた。
「さぁ、ここだよ。入って。」
ガラッとドアを開けると一斉にクラスの人が私を見た。
緊張で押しつぶされそう…。
『あ、えと、鳥遊紫音です。万能坂中学校から来ました。よろしくお願いしますっ』
ふぅ、なんとか挨拶できたかな。
「じゃあ鳥遊は…あそこの空いた席に座ってくれるかな」
見るとすみっこにポツンと机があいていた。
隣の男の子は金髪碧目のメガネをかけた人だった。
「西野空、鳥遊にいろいろ教えてあげてな」
「は〜い」
なんか…不思議な子だ。
『よ、よろしくね、西野空くん』
仲良くなれるといいなぁ。
「ふふ〜。僕のことは宵一でいいからさ。僕も紫音って呼んでい?」
え?!いきなりですか?!
…でもなぜかこの子の目にすいこまれそうで…断ることなんてできないに決まっている。
『宵一…くん?わかった。よろしくね』
なんとか天河原でもやっていけそうだなぁ。
そして休み時間になると宵一くんにひっぱられて学校を案内された。
「おい、西野空。俺もついていきたいんだが」
「じゃあ、おれも行きたいかな」
振り返るとそこには、
オレンジ色のくせ毛を頭の上でまとめたキレイな顔の男の子とキレイな長い髪をした片目が隠れている女の子のような男の子がいた。
2人とも美人だ…。