Zzz
□ドライフラワー
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夏休みも中間を過ぎてだれる時…
私も例によってダラダラしていた。
女子としてもうちょっと夏休みを楽しみたいのだけど…
仲良しの友達は里帰りや旅行でいない。
一応彼氏と呼べる存在もいるけど…
うるさいから夏は会いたくない。
ピンポーン♪
今日は親は出かけていていない。
居留守はやだったので仕方なく軽く身だしなみを整えてドアをあけた。
「やっほ〜真冬」
『夜桜…』
彼氏だった。
一応付き合っているが…なんだか微妙。
そりゃあ好きだけど夜桜はいっつも変な笑いをあげてるから。
「勝手に上がるな〜おじゃましまっす♪」
『あっ、ちょ……』
ズカズカと上がると私の部屋に入っていった。
昨日掃除しといてよかった…
「真冬さ〜、俺に会いたかったでしょ?あははっ」
『あ、まぁね…』
実際微妙だけど……
「覚えてないでしょ?今日で一年だよっあはっあははっ!」
あ…忘れてた。
一年前、私から告白したんだ。
私…夜桜が好きなんだ。
『ごめんっ、私から言っといて…忘れてるなんて』
「あははっ、別にいいよぉ!それよりこれやるよ」
それは小さな箱だった。
開けると中にはドライフラワーがたくさん入っていた。
「花は枯れるけどドライフラワーは枯れないじゃん?俺の気持ちもそれと同じで絶対変わらないよ!好きだよっ、真冬!」
『夜桜…ありがとう、ありがとう、私も好きだよっ!』
私の気持ちもドライフラワーみたいに枯れない、きっと。