Zzz

□タイプじゃなくても
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「ねぇねぇ♪」

ある日
クラスで一番仲良しの友達が話しかけてきた。
この子がニヤニヤしてるときはろくな話ではない。
私はあまり期待しないで返事をする。

すると、
「真冬の男の子のタイプってどんなん?」


いきなりすぎるだろ。
なんなんだ一体。

『例えば?』

「んー、性格と見た目とか!」

友達はなぜか周りの男子をチラチラ見ながら言っていた。

その中に倉間がいた。
実は私は倉間が好きだ。
でも理想のタイプとはちょっとちがう。
ちゃんと本音いわないとうるさいし、仕方ないか。

『性格は普通ならいいかな、面白かったり優しいともっといいけど。で、見た目は…』

やば、倉間こっち見てるし。
言いづらいなぁ。

『身長は私より高ければいいかな』


バサバサッ。

どこかで教科書か何かが落ちる音がした。


倉間だ。
寂しそうな顔をしていた。

『あっ…』

走っていってしまった倉間を私は夢中で追いかけた。

『倉間っ、待って!』

腕を引っ張った。
その時の倉間の顔はすごくつらそうだった。

「……なんだよ」

『なんでいきなり走って行っちゃうの?』


「……お前は自分より背が高い奴が好きなんだろ?!俺がいくら神崎が好きでも意味ないだろ……っ」


『ちがうよっ!!』

誤解を解かなきゃ…

「なにが違うんだよ」

『理想のタイプと私の好きな人は別物だよ…私が好きなのは…倉間、だよ…』

「どうせ嘘だろ…」

『嘘じゃないっ、私…』


ギュッ

勢いで抱きついた。
もう方法が見つからなかった。
私はバカだから…

「…神崎?」

『倉間…好きです、私と付き合ってください』


「それ、本気にしていいんだな?」

私は少し体を離して倉間の顔をみて笑って見せた。

『うん!!』


「よろしくな、その、真冬」

『こちらこそよろしくね』


+--+--+--+--+--+--+--+
なんか倉間じゃない…

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