ふわふわ

□二章
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「…ろ、……き……朝・………」

耳元で優しい声がします。

僕はその相手に擦り寄りました。

暖かくていい匂いですー。

僕の上で誰かが笑ったような気配がありました。

僕が目を開けようかなーと思ったとき、唇に温かい感覚がありました。

『…ふ、…ぅん……?…んぁ…』

小さく唇をノックされたので、口を小さく開けると舌がぬるり、と侵入してきました。

『んむぅ…ぁ……んぁ……むぅー?…』

僕が片目を開けて見るとドアップでむーの顔がありました。

それもそうですねー…

だってちゅーして…



あ……朝ですかー



僕は起きたのをむーに知らせる為に少しだけむーの舌を甘噛みしました。

「…っん…」


…・………むーがえろいですー

むーは微かに睫毛を震わせてからゆっくりと目を開けました。

そしてお返しとばかりに僕の唇を噛んでから顔を離しました。

『…ぃ、・…た…』

「はよ」

そんな僕にむーは目を細めて笑いました。

『おはよぉー』

僕は目を擦りながらむーに挨拶を返しました。


「今日から授業だぞ。遅れるなよ」

むーの言葉にはっと時計を見ると8時五分前。

朝礼開始は8時15分です。

『やばいですー!!』


僕はばっと飛び降りると、高速で着替えとむーが用意した朝ご飯を詰め込みました。

「はい、カラコンとヘアスプレー」

『ありがとですっ』

僕はむーに渡された黒のカラコンを装着し、銀髪を茶色に変えました。

よし完璧ですー

『んじゃ、行ってくるー』

「あぁ、気をつけろ。昼に迎えに行く」

僕とむーはお互いの頬にちゅーし合いました。

『いってきまーすー!!』

僕は部屋を飛び出しました。


あれ、むーは朝礼に出ないんでしょうか…?
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