【リクエスト】

□0216
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真夜中、終りの見えないデスクワークを諦める。続きは明日でいいだろう。俺は重い身体で寝支度を整え、憂鬱な気持ちと共に蒲団に入ろうとしていた。


不意に襖の向こう側、人の気配を感じて。


誰だろう、こんな時間に。

「おい、誰かいんのか」

真夜中の屯所。極力声が響かぬよう声を掛けた。



「土方さん」

返ってきたのは総悟の声で。

「総悟?」

こんな時間に珍しい。何事かと思い、

「どうした」

俺は襖に手を掛けるも、

「!?」

・・・開かない。



どういう訳か、奴は外側から俺を閉じ込めているようで。相変わらず奴の奇行は理解し難い。

「おい、総悟。開けろ」

「・・・・・・」

今から寝ようとしている人間を閉じ込めた所で何になる。何の不都合も無い俺は、

「用が無いなら戻れ。俺ぁ寝るぞ」

言いながら襖から離れた。


明日も仕事だ。奴の気紛れに付き合っている暇は無い。



すると、

「土方さん」

奴は再び声を掛けてくるものだから、

「だから何だよ!」

少し苛立つ俺とは対照的に奴の声は妙に落ち着いていた。
 
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