□疑惑の二人
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「トシぃ、入るぜ」

それは突然やって来た。

「とっつぁん」

デスクワークに勤しむ中、勝手に襖を開けては、いつものように銃口を俺に向けてくる。

「トシ、てめぇ俺に隠し事はねぇか?別に隠し事がいけねぇとは言わねぇよ。男に隠し事の一つや二つあるのは当たり前。ただオジさんは、隠し事が有るのか無いのか、それが知りてぇんだ」

「は?何言って・・・」

突然部屋に押し入っては、訳の分からないこと言い出した。状況が把握出来ていない俺はきっと間抜けな面をしていたに違いない。

「有るのか無いのか、はっきりしろ。いいか、3秒以内に答えろ。いーち・・・」


パンッ!


最初の『1』で発砲される。これもいつものことだ。

「なんだよ、いきなり。意味分かんねーよ」

言いながら、俺は首を傾け弾を避ける。

「そぉか、あくまでしらばっくれるつもりだな。俺ぁ気ぃ使って『有るのか無いのか』それだけ聞くつもりだったのによぉ。てめぇは俺の好意を踏み躙った。よし、分かった。ハッキリ言ってやるから、3秒以内に答えろ。いいな」

「だから何だってんだよ」

 
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