□一人寝
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現実的に考えてみて欲しい。

大の男が二人、一つの蒲団で寝るんだ。そりゃ、狭いったらありゃしねぇ。
総悟の奴は、ほぼ毎晩部屋に来る。俺が仕事で遅くなった日は、勝手に俺の部屋で蒲団を敷いて寝てる始末だ。
まぁ、それはいい。
何となく可愛いし。


いくら可愛くても、いくら好きでも、腕枕したり抱き締めたりしながら寝ることはない。
だって寝にくいから。
幸いそれに関しては、俺と総悟の意見は一致しているらしく、なので寝る時は、お互い背を向けて寝る。


朝、目が覚めると必ずどちらかが蒲団からはみ出てる。と、ゆーか二人してはみ出てる。
二人とも大の字になって、はみ出てる。
夏場は構わんが、冬は寒くて夜中に目が覚める。


「おい、こっち来い。風邪ひくぞ」
俺はそう言って、蒲団を整え、奴を蒲団に誘導する。

「む〜・・・」
奴は寝惚けながら、もぞもぞと蒲団に入る。



・・・・・・。

たまには、一人でゆっくり寝たい。

大の字になって、

好きな格好で、

蒲団からはみ出ることなく朝まで寝たい。

 
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