□山崎の憂鬱
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「・・・んがっ」


ハッ、と目が覚める。
自室での書類整理。俺はいつの間にか筆を手にしたまま、転た寝していたみたいだ。

「あ、涎・・・」

口元を袖で拭う。
随分長い時間寝ていたらしい。
身体が怠い。
思いっきり伸びをする。



季節は五月。
過ごしやすい季節がやってきた。
今日は朝から部屋に缶詰状態。程好く気温の上がる昼下り、転た寝の一つもしたくなる。



ふと気付く。

「空気籠ってんな・・・」

部屋の中は、煙草の煙、そして俺の憂鬱な気分で充満していた。



障子の向こう側には、穏やかな陽射しが降り注いでいる。

俺は立ち上がり、障子を全開にする。

気持ちがいい。

「ん、たまにはいいな」

独り言を呟いた。




そこに、通りすがりの山崎。

「あ、副長・・・」

 
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