弐.
□夏の日(仮)
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八月の初め、俺は会社の同僚と一緒に海へ遊びに来ていた。
海で泳いでバーベキューをして。なんともベタな楽しみ方だが寧ろそれが新鮮だった。海もバーベキューも何年ぶりだろう。最後に楽しんだのは確か高校生の時で。そうだ…あの時はあいつが、総悟が居た。
…元気でやってんのかな。
ふと懐かしく感じた時、
「おい、土方!何ぼさっとしてんだよ」
同僚たちとビーチボールで遊んでいた俺は現実に引き戻される。
そして、
「あっ…」
「あらら」
俺が受け損ねたボールは風に吹かれ、波に攫われ俺たちから離れていった。
「ちょっと取ってくる」
「おう」
人混みを掻き分けて、少し離れた所にプカプカと浮いてるボールを取りに俺は海の中へと入って行く。
高校時代の俺たちを思い出しながら。
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