弐.

□ヤラシイ姿
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「あぁッ・・・っ、そう、ご、・・・ちょ、まて」

「ん、むり」

野郎に覆い被さっては、激しく腰を叩き付けた。その度にあんたは俺の胸を押し遣りながら『待て』を繰り返す。

嫌だね、待たない。



強姦のような少し乱暴なセックス。野郎の性器に触れることはなく、自分本位で腰を振る。

暫くすると、

「ぁ、ぁ・・・んッ、っ」

野郎は言葉を無くして。揺さぶられながら、ただ小さく喘ぐだけ。快楽に溺れ始めた証。



あんたの一番厭らしい姿まであと一歩。

その瞬間を見逃すまいと、余裕を欠きながらも必死に野郎を見詰めれば、

「ぁ、ぁ・・・ッ」

虚ろな瞳が俺を映して、

「ぁ・・・」

だらしなく開かれた口許から、つうと唾液が零れた。



あぁ、堪んねぇ。



いい歳こいた大人が、あの厳格な鬼の副長が。こうして俺の下で喘いでは涎を垂らす。

なんて絶景。



不意に律動を止めれば、

「あ・・・」

己の濡れた口許に気付いたのか、野郎はそれを拭おうとするものだから、

「だめ」

俺は野郎の手首を掴むと、強く布団に縫い留めた。

あんたは何もしなくていい。

その濡れた口許。俺が優しく舌を這わせて舐め取ってあげるから。
 
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