弐.
□【続】どうしちゃったの、土方さん?
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時刻は夜10時。明日は早番だからと早々に眠っていた野郎を起こしては、俺の初夢を語っていた。
なのに。
突然激しいキスを落とされたかと思えば、そのまま蒲団の上に押し倒されて。
全てを剥ぎ取られた俺の身体。冷たい空気に晒されて、
「さむ・・・」
そのまま蒲団に潜り込む。
あたたかい。
蒲団の中、先程まで寝ていた野郎の温もりが、匂いが残っている。俺は思いきり息を吸い込んでは、野郎の温もりを、匂いを肺いっぱいに満たす。
きもちいい。
すると、直ぐに一糸纏わぬ姿の野郎が入ってきて。
俺はその身体を抱き締めた。やっぱり暖かい。蒲団で暖められていた野郎の肌は、俺より幾分温度が高い。
「あんたの身体、あったけぇ」
更に強く抱き締めれば、
「お前は冷たい」
言いながら俺の腕を解く。そして、今度は抱き締め返された。
野郎の腕の中、俺はすっぽり納まって。程好い体勢に、程好い温度。そして野郎の匂いと肌の感触は心地好過ぎる。
セックスしないで寝ようかな。俺の欲は薄れていくも、野郎がそれを許さない。
「おい、寝るな」
「んー・・・」
野郎は腕を解くと、片方の手で俺の性器をやわやわと握り込む。
あ、気持ちいい。
このまま寝ようか、それとも野郎とセックスしようか。そんな狭間に立たされて。ゆっくりと目を瞑れば、瞼の裏側に映るのはフラフラ歩く俺だった。裸の俺が睡眠とセックスの境目を歩いている。
「土方さん、もっとその気にさせてくだせぇ」
でないと寝ちまいやすぜ。僅かに芯を持った俺の性器。でも、まだまだ。瞼の裏側、俺の足取りは覚束無くて。気を抜けば、直ぐ様眠りの淵へと堕ちるだろう。