弐.
□どうしちゃったの、土方さん?
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新年早々徹夜で警備。疲れきった俺は、そのまま風呂へと向かう。
本当は野郎と始めたいところだけど、徹夜明けはさすがにキツい。取り敢えず風呂に入って、寝て。充分精気を養った所でたっぷりと可愛がってやろう。そんな事を考えながら風呂場の戸を開けると、
「あ、土方さん」
「総悟」
そこには、一人身体を洗う野郎の姿。俺はそのまま野郎の隣に腰を掛けると、
「今日非番?朝から呑気に風呂ですかィ」
「・・・あぁ」
「ったく羨ましいでさ。こっちは徹夜で警備だったっつうのに」
「・・・お疲れだったな」
「そんな警戒しなさんな。今は何もしやせん。とにかく早く寝たい」
俺は冷えた身体に湯をかけ、身体を洗い始めた。
「ふふっ、この後仮眠取るけど、起きたらあんたの所に行くから覚悟しときなせぇ」
「・・・・・・」
「土方さん、聞いてる?」
隣で黙り込む野郎。怪訝に思い野郎へ目を向けたその瞬間。
突然スッと立ち上がる。
まだ身体を洗っている最中だろう。野郎は全身泡だらけだ。
「土方さん?」
再度声を掛けるも野郎は黙ったまま。そして、俺の背後に来たかと思うと、しゃがみ込み後ろから抱き締めてきた。
「は?ちょっと!!」
突然の出来事に驚く。腕を解こうとするも、しっかりと回された腕はそう簡単に解けない。
「土方さん?ちょ、ここ風呂場ですぜ?」
「分かってる」
野郎は小さく呟くと、カプリ、耳朶を甘噛む。そして後ろから回された手は、そのまま下へと降りて、
「!!!」
俺の性器を優しく撫でる。
さすがの俺もこれは焦った。有り得ない。早朝とはいえ、誰もいないとはいえ、野郎が公の場でこんな行動を取るなんて。
一体何故?
何かあったのだろうか。
焦る俺を尻目に、その間も野郎は俺の性器を弄ぶものだから、
「ちょっと、土方さん!」
あーあ、ほら。勃っちまった。
思いもよらぬ場所で、思いもよらぬ誘い。俺の理性を飛ばすには充分で。
どういうつもりでこんな事してくるのか。全く理解出来ねぇが、誘ってきたのはあんたでさ。今更止めろと言っても無理。
理性という名の細くて脆い俺の糸。それは容易く切れた。
「・・・っ、ひじかた、さん」
泡だらけの手で扱かれて。あまりの気持良さに、今にもイキそうになる。
押し寄せる射精感に必死に耐えながら、
「どうせなら、二人で楽しみやしょ」
性器を握る手を払い除け、くるり、野郎の方へと身体を向けた。そしてそのままぎゅっと強く抱き締めれば、
「ぁ、」
野郎が小さく声を洩らす。
「ひじかたさん、気持ちいい」
泡だらけの二人の身体。蒲団の中、裸で抱き合う感覚とは全然違くて。
すごく、きもちいい。
全身が性感帯になったみたいだ。