ZZZA
□ここに、宣言する。
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【裏庭】
女「好きです!//」
とても聞き取りやすい声だった。彼女は女の子というには大人で、女性というには若く見えた。すると彼女は手紙を差し出した。
女「カッコ良くていつも憧れてました!//」
?「でも」
女「お友だちからでいいので受け取って下さい!//」
?「はぁ・・」
相手は戸惑った。彼女の期待には添えられないと分かっていた。しかし彼女の押しは強く、またその他には断る理由がなかった。
女「お願いします!//」
?(まあ、いいか〜)
相手は手紙を受け取った。きっと1番穏便に済ませられる方法だろう。ほとんど初対面なのに中庭へわざわざ呼び出されたのだ。それなりに勇気も必要だったろう。案の定彼女は喜んでくれた。とりあえず愛想笑いで返した。
?「ありがとうございまぁ〜す」
女「いえ、こちらこそ!忍務頑張って下さいね!//」
?「は〜い」
女「失礼しました、さつきさん!//」
彼女は頭をちょこっと下げると、パタパタと離れていった。さつきは受け取った手紙をしばらく眺めると、踵を返した。
【上忍控室】
ア「またかよ!?ι」
アスマが跳ねたように前のめりになった。驚き方が大袈裟で、さつきは可笑しかった。最初アスマは冗談だと思ったが、机の上に置かれた手紙が事実だと教えてくれる。口をあんぐりと開けた。
ア「今月入って何度目だよ?ι」
ガ「青春してるな!」
ゲ「女同士だけど」
主妹「女の子の告白は可愛いですよねぇ〜」
ア「プレイボーイか」
忍びの隠れ里では、くの一に告白されたなんて特殊な噂はすぐ広まる。さつきは隠し事はせず、さっさと答えた。するとゲンマとアスマが動揺し、内容を読みはしないが封筒の表裏を交互に眺めた。女に不自由したことないが、ラブレター等は初めて見た。丁寧な文字で“さつき”が書かれており、差出人の好意が本気だと伝わってきた。ゲンマは部屋の角のほうにいる“カカシ”を呼んだ。
ゲ「そんなとこにいないで見てみろよ」
カ「あ゙?#」
ゲ「って、無理か」
当然カカシにとって、この現象はかなり不愉快。壁に顔を向けて、尋常ではない負のオーラを漂わせていた。