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□おとこまえ☆救出
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【牢屋】
ゲ「あーあ、ヒマだな」
カ「そうだね」
ア「仕方ねぇーだろ」
豆電球が1つあるだけの薄暗い部屋で、空気もひんやりしていた。アスマはため息を吐いた。
ア「捕まったんだから」
カ・ゲ「「だよね」」
カカシとゲンマは軽い口調で相づちを打った。彼らの態度とは裏腹に、部屋は殺風景。上も下も右も左も石を積み重ねられて造られており、3人でいるには狭く、縦横5メートルほどの正方形だった。そんな所にかれこれ2時間いる。ゲンマが項垂れた。
ゲ「はぁ、ドジったな。しりとりも飽きた。つーかカカシの“る攻め”がしんどい」
カ「“な攻め”もあるよ」
ゲ「いらんいらん。只でさえ物理的にも窮屈なのに、心も追い詰めるな」
ア「待機チームがすぐ救援に来てくれるだろ」
ドアは分厚く鉄製。鍵は厳重に掛けられていた。そして手械と足枷。にも関わらず、アスマは石壁にもたれ、リラックスした。カカシとゲンマも焦っていなかった。余裕のある態度。仲間が必ず助けに来ると信じており、安心感をもたらしていた。
カ「さつきとガイとライドウだしね」
ゲ「若干、不安がよぎるメンバーではあるんだが」
ア「それまで何か面白い話はねぇーのか?」
ゲ「へぇ、無口なお前が会話をしたいとは」
ア「タバコ吸えなくて、落ち着かねぇーんだよ。紛らわしたいんだ」
ゲ「なるほどね」
カ「ガンになるよ」
ア「そういう話はしなくていいι」
ゲンマはにししと笑った。アスマは何も入ってないポケットを無意味に探る。檻に入れられる前に空になった。しばらく空のままだと思うと寂しさを感じた。
ゲ「じゃあご要望どおり・・・そういえば今回“KO・NO・HA”にさつきが出なかったな」
ア「覚えてねぇーよ」
カ「忙しかったからね。紅も出てなかったじゃん」
カカシが足枷の鎖を弄りながら答えた。木の葉隠れの里では、毎月雑誌KO・NO・HAが発行されている。老若男女、忍びや一般人など関係なく楽しめるように、手を変え品を変え、特集が組まれていた。特に最近特集された内容が話題になっていた。里在住の女性で“彼女にしたい女性ランキング”の投票があったのだ。元々数年前から投票はあった。そこでせつな、紅、さつきがトップ3に選ばれたことで、一気に盛り上がったのだ。
ゲ「オレ、カカシはさつきを載せるの嫌がるって思ってたよ」
カ「何でだよ」
この盛り上がりにかこつけ、トップ10に選ばれた女性は、グラビア写真を撮られて雑誌を彩ることになった。それは現在、里の男性たちの目の保養となっていた。つまり彼女たちの恋人は複雑な気持ちになると思われた。