糸が切れるまで 2

それを漁る烏の群れ、酔い潰れてベンチにもたれ掛かる若い男、タクシーを待つキャバ嬢、とにかくこの街は欲望と虚栄で汚れているのだ。

まあ公に出来ない俺達の関係にお似合いな街とも言えるだろう。
原付を押して歩く俺の後ろを君が歩く。

ビジネスホテルに毛が生えた程度のホテルに着くと君は無言でテレビを付けニュースを見る、まだ表情は険しい、今から抱かれるというより、まるで戦いを挑むようだ。
先にシャワーを使う。
あの固い表情をどんなふうに辱めて歪ませてやろうかと考えてみる。

浴室から出たら君の表情は何かに怯えるように変わっていた。 交代で浴室に入って行く。

待ってる間ニュースを見ていたがどれも下らない内容で、チャンネルを幾つか変えてみたらAVになり、女の子同士でキスしている所だったその時君が浴室から出て来た。

バスタオルを纏い

「何見てんの馬鹿!」
と怒鳴り一発殴られた。
するとまた表情が強張りベッドの隅で膝を抱え座り込んだ。

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