short 2

□もしも俺の後輩が病弱体質だったら2
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「先輩!メアド教えてください!」

先輩が俺の病室に通ってくれるようになったある日俺は自分の全ての勇気という勇気を振り絞るかのように振り絞って先輩に"お願い"した。返事は予想よりはるかに軽く"いいよ"と一言言うと携帯を取り出したがここが病室であることを思い出したように外にでも出ようかと提案してくれた。

もともと心臓は弱いけど別に携帯の電波は大丈夫で病室で携帯使っても大丈夫であるがなんとなく院内で使うことに先輩は悩んだらしく中庭にでも行こうかと誘われた。財布をとろうと引き出しに手をかけると奢るからと微笑まれドキッとしたことは秘密である

「外出るの久しぶりっ‥‥」

まあ入院するときっていうのは体調がすぐれないときなわけで好んでそとにでるわけもなく病室でぼんやりするだけ、しかも今回の入院はいつもより長く外の空気を吸うのは久しぶりのことだった

「狩屋、携帯貸して」

俺の手から携帯を手にとるとなれた手つきでアドレス交換という作業をすぐに終わらせてしまった。そして携帯をはいと差し出され返してもらった携帯を見ると少ないアドレス帳の中にある『霧野蘭丸』という字がやけに照れ臭く感じてしまい思わず携帯をポケットの中になおしてしまった。そのときだった

「けほっ‥‥‥っ‥‥あ‥」

急に世界が遠のくような目眩と胸苦しさ、体が油を注していない機械のように軋み上手く動かない

「せ‥‥‥んぱ‥」

いつもの発作にしては呼吸が胸苦しく金魚のように口をぱくぱくすることしかできなくなり視界の隅には慌てる先輩がいた

―――――‥‥‥




「‥‥っ、狩屋!」

目が覚めると目の前には涙をぼろぼろ零す先輩がいた。声を出そうとしても言葉は上手くでてきてくれなかった。


「大丈夫か?」

「せん‥‥ぱ‥」

気付くと俺も涙を流していた。恐怖か、

俺がもし退院して学校にいって発作がでたらどうしよう。友達なんかいないし先輩だって助けてくれない。俺は死んじゃうかもしれない。そんなことを考えると指先は震え、涙は頬を伝い言葉では表せない感情が込み上げてきた。





「俺が守ってやるよ」

「霧野先輩‥‥?」

「いつでも『霧野せんぱーい』て叫んでくれたら助けに行くから。だから怖がらなくても大丈夫だから」

俺は学校が怖いなんて一言も言ってない。けど先輩はわかってくれていた、なんだ一人で抱え込まなくてもいいんじゃないか。二人で共有していったら。何て言うんだっけ、こーゆー関係

「恋人‥‥‥




みたいだな、俺達」


先輩が漏らした言葉は俺が考えていたことと全く一緒だった

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