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□僕の隣は
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かなしみなんてもう感じない。貴方が僕の前から消えてしまったあの日から 感情と言う感情が僕の中から消えてしまった。

貴方の優しい手を感じることはもう出来ないの?もう僕の頭は撫でてもらえないの?

幾つもの問いかけが泡のように浮かんでは消える、そろそろ考えるのも面倒になってきた。

長時間持っていた所為で手の温度が移ってしまった飲みたくもない温いゼリー飲料を飲み干し今日も仕事へ向かう。

あぁ、今日も色の無い楽しくないただ淡々とした一日が始まるのか と、半ば諦めきったような考えを持ちながら仕事場への道を歩いていく。貴方がいない毎日はこんなにも楽しくない。

ふと視界に黒いものが映り込んできた、幻覚症状かそれとも貴方のお迎えか

幻覚にしてはボロボロだしお迎えにしては生き生きとしている気がする。きっと見間違いでは無いだろう、こんな格好の人間はそうそういない。

「リゾ ット?」

リゾット「あぁ」

「その怪我 大丈夫なの!?」

リゾット「大丈夫だ、連絡も出来なくて悪かった」

料金払ってなくて携帯止められてたんだ。と、すました顔で言う貴方がちょっと憎らしかったけど

文句の言葉は泣き声で消されてしまって 心の奥に閉じ込めていた色々な感情が溢れてきてしまって もう無茶苦茶な状態だった。

もし帰ってきたら文句の一つでも言ってやろうと思って文句の言葉を用意してたのに 絶対に怒ってやろうと思っていたのに 出てくる言葉は良かったとかありがとうとかお帰りなさいとかばっかりで少し悔しい。

ただいまと言いながら僕を強く抱き締めるリゾット。こんなので許してもらおうなんて甘いと文句を言ってやろうと思い顔をあげると唇を塞がれた。いきなりは卑怯だ!

抵抗が出来ない辺り 自分も寂しかったんだなぁとしみじみと感じる。

「お帰り、朝ごはん作ってあげる」

リゾット「仕事は良いのか?」

「リゾットを放ってなんて行けないよ、休む」

リゾット「悪いな」

「市場寄っていこう、好きなもの作るから!」

リゾット「…ピッツァ」

「作れないものを言うってことは僕の手料理食べたくないんだね、じゃあ何処で食べたい?」

リゾット「家でお前が食べたい」

「却下。朝からはお断りだ」

リゾット「冗談だ お前が一番得意なものが良い」

「解った、じゃあボロネーゼ作る」

リゾット「頼む」

貴方が隣にいることがこんなにも嬉しいことだなんて思ってもみなかった、全くやれやれだとため息を吐いて僕はリゾットの手を引いた。





書いたのが梅雨中だった所為かちょこっとジメっぽいっす。
人間関係の所為でこんなのしか書けなくなってる気がします\(^q^)/
 

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