main
□あぁ、やっぱり氷漬けにすれば良かった
1ページ/1ページ
「…良いなぁ、ギアッチョの能力」
ギアッチョ「あ?何でだよ」
マナは眉を潜めて少し考え込んでから口を開いた。
「だって 好きな人や物を一生氷に閉じ込めておけるだろう?ずっと綺麗なままで」
ギアッチョ「 アホらしい、そんなもん必要ねぇだろ」
「ずっと一緒にいたい人 いないの?」
ギアッチョ「いるけどよ 氷漬けなんかにしたら寒いだろ」
ただでさえお前は寒がりなんだからと不機嫌そうに呟くギアッチョ。
「 ははっ」
ギアッチョ「…何だよ」
「言われればそうだなぁって思ってさ」
ギアッチョなら同意してくれるかとも思ったがそうではなかった、それが何だか無性に嬉しくて笑ってしまった。
能力は冷たいけど心は暖かいギアッチョ、それに比べて能力は暖かくて心は冷たい僕。そのうち能力も心も暖かくなれれば良いな。
ギアッチョ「お前は俺を氷漬けにしたいと思うのか?」
「いや、ずっと一緒に生きてたい もうそんなこと言わないよ」
ギアッチョ「俺もだ、変なこと言うな馬鹿。」
そんな事を話した矢先に貴方は逝ってしまった。血塗れで 独りきりで 冷たくなってしまった。
あんなことを話したくなったのは貴方が離れて行ってしまう気がしたかったから、繋ぎ止めておきたかったからかもしれない。
僕に 貴方の亡骸の前で僕はただ泣くことしか出来なかった、声が涸れ果てても涙は涸れることがなかった。
僕には 貴方を抱き締め冷たさを共有することしか出来なかった。
涙も涸れ果てたマナは空を見上げてポツリと呟いた。
『アァ、ヤッパリアノトキ氷漬ケニシテオケバ良カッタンダネ』
久しぶりに暗い相手死ネタを書きましたー、暗チが全滅とか嘘だろ承太郎 な、Rё.は基本的に暗チ全員生存で話を進めています。
ギアッチョ「ドッキリでしたー、今日はエイプリルフールだぜ?マナ」