main
□バレンタイン
1ページ/1ページ
明日はバレンタイン、つまり恋人達が愛を確かめ合う日。日本では女性が男性にチョコレートを渡すというイメージが強いが、此処イタリアではお互いに花束やプレゼントを渡す事の方が一般的だ。
と、言うことで僕も大事な恋人に何かをプレゼントしようと思うのだが…。
「 何が良いんだ?」
ギャングとは言え同じ15歳、チョコやプリンが好きな可愛い一面があるのは知っている。だがプレゼントとなると何を渡せば良いのか解らない。
ただでさえ暗殺チームと護衛チームというチームの違いがあるのに 段々と気分が滅入ってきた…。
はたして暗殺チームの安月給でジョルノの喜ぶものが買えるのだろうか…?
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
頭を抱えて転げ回っていたらいつもの事なのでチームの皆に放っておかれた。最近は誰も何も言ってこない。
が、バレンタイン前だからかメローネがトコトコと駆け寄ってきた。
メローネ「どーしたの?マナ」
「 ジョルノに渡すものが思い付かないっ!」
メローネ「成る程 リボン巻いて私をプレゼン「黙ってろ」
メローネ「(´・ω・`)」ショボーン
「こっちは真面目に悩んでるんだ!そんな貧相なもの渡せるか!」
メローネ「俺マナのそういう所好きだよ」
「お前に好かれても嬉しくないわ」
メローネ「辛辣!」
メローネがうざくなったのでスタンドを出したらギアッチョがメローネを引きずっていってくれた。多分親切心からではなく僕のスタンド能力が部屋を荒らすものだからだと思うがどちらにせよ助かった。
ギアッチョ「イライラしてんなら外出てみろ、良いもん見つかるかもしれないだろ」
「うん、ギアッチョのそういうところ好きだわ」
ギアッチョ「気持ち悪い。」
ギアッチョはギアッチョだった。いつもイライラしているギアッチョのアドバイスなのでおとなしく聞いておく。
どうせチョコケーキの材料を買いに行く予定だったので。外に出ることにした、買う材料はもう決めてあるので後で買いに行くことにして先にイルーゾォに教えて貰った雑貨屋を見に行くことにする。
地図を片手に探すと案外すぐに見つかった、外装はシックなもののドアを開くと可愛い物が沢山並んでいる。あれ?イルーゾォいっつも一人でこんな女子力の高いところに来てるの?何か色々と負けた気がする…。
出そうな涙を堪えて店内を回ると色んな物があって心惹かれた。色々な種類の小物があって目移りするが常に身に付けられるものは何だろうと考えた結果、ブローチを贈ることにした。
まぁ うん、持ってるしつけてるけどね!新しいのがあっても良いよね!
と、若干投げやりになりながらもブローチのコーナーを見ているとてんとう虫モチーフの可愛いらしいブローチを見つけた。早速買ってラッピングしてもらう。
取りあえずプレゼントは決まった、後はケーキを作ってデコレーションして 時間は足りるんだろうか?
約束の時間より少し早めに着いたのだが既にジョルノは約束の喫茶店にいた。
ジョルノ「おはようございますマナ!」
朝には少し弱いのだがジョルノの太陽のような笑顔で眠気は飛んでいった。仕事場も働く時間帯も違う僕らはあまり会えないのでこういう日は朝からずっと一緒に過ごすことにしている。
ジョルノ「眠いんですか?」
「ううん、ジョルノに会ったら元気になった」
ジョルノ「 マナ可愛いすぎです…。」
「? ありがとう」
ジョルノ「 あぁもう!」
首をかしげているとぎゅーっと強く抱きしめられた。寒かった身体と寂しかった心が暖かくなってきた。
二月は少し寒いイタリア、外で遊び回るより家で一緒に過ごす方が好きな二人なのでジョルノの家に向かうことにした。
寒くないように手を繋いで歩くだけで幸せになるので我ながらかなり良い燃費だと思う。休みがあまり合うことがなく、僕が報告書を出しに本部に行っても会えないことの方が多い。しかもジョルノはとてもモテるのでよく不安になる。
が、ジョルノに会うとそんな不安もたちまち吹き飛ぶから不思議である。ジョルノの部屋は僕が来ることを見越していたのか暖められていた。
ジョルノ「いつもみたいにゆっくりしていってくださいね」
「うん、リクエスト通りチョコケーキ作ってきたよ」
ジョルノ「本当ですか!」
ジョルノの顔がパアァッと輝いた。作るのはかなり大変だったがやっぱり作ってきて良かったなぁと頬が緩んだ。
ジョルノ「紅茶入れたら食べて良いですか!」
「勿論、じゃあ切り分けとくね」
ジョルノ「お願いします♪」
スキップしそうな勢いでキッチンに向かったジョルノ、そんなに喜んで貰えるとは思っていなかった。今度はプリンを作ってみようと思う。
ジョルノ「用意出来ましたーっ!」
「そんな急がなくても…。」
ジョルノ「早く食べたいです!」
「はいはい、どうぞ」
ジョルノ「頂きます!」
「じゃあこれもプレゼント、ちなみにブローチだよ」
ジョルノ「 本当は僕から渡したかったのに 手作りチョコケーキから出すとか反則です…。」
「ごめんね、早く食べさせたくて」
ショボンとしたジョルノが可愛かったのでクスクスと笑うと膨れっ面になってしまった。たまに見せるこういう子供らしい一面がとても可愛い。
ジョルノ「 これは後で頂きます」
名残惜しそうにチラッとケーキを見てジョルノは小さい箱を取り出した。
ジョルノ「僕からのプレゼントです ちなみに指輪です」
「 ありがとう」
ジョルノ「手出してください、勿論左手」
「…。」
ジョルノ「僕は15歳でまだ結婚も出来ません、待たせることになりますが ずっと僕と一緒にいてくれますか?」
「喜んで!」
ぎゅーっと抱き付くとジョルノも抱き締め返してくれた。幸せに包まれながら僕は目を閉じた。
ジョルノ「じゃあケーキ 食べさせてくれます?」
「どーぞ」
ジョルノ「来年はチョコプリンでお願いしますね」
「うん!」
暗チが出張りすぎですねごめんなさいスライディング土下座します。こんなので宜しければバレンタイン限定でお持ち帰りオケです!が、一言で良いので報告宜しくお願いします(´`*)