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□バレンタイン
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明日はバレンタイン、つまり恋人達が愛を確かめ合う日。日本では女性が男性にチョコレートを渡すというイメージが強いが、此処イタリアではお互いに花束やプレゼントを渡す事の方が一般的だ。
と、言うことで僕も大事な恋人に何かをプレゼントしようと思うのだが…。
「何渡そう…?」
一応ホルマジオの好むものは解る。お酒、猫 うん、情報が少なすぎるね。よく考えればホルマジオの事あんまり知らないな…。
と言うことで、よくホルマジオと任務を組んでいるイルーゾォにホルマジオの欲しそうなものを聞くことにした。
イルーゾォ「あぁ、チョコは酒入りが良いってさ」
どうやらイルーゾォに聞くことはお見通しだったらしい。行動パターン完璧に知られてる…。
イルーゾォ「別に高いものは要らないって言ってたけど あ、ちょっと前に腕時計壊してた」
「ありがとうイルーゾォ!」
イルーゾォ「どういたしまして、頑張ってね」
「うん、お礼にイルーゾォのチョコは豪華にしてあげる」
イルーゾォ「本当?ありがとう」
ホルマジオ「相談事か?マナ」
任務から帰ってきたらしいホルマジオに頭を撫でられた。外から帰ってきたときにこうして頭を撫でてくれるホルマジオが僕は大好きだ。
「あ、おかえりホルマジオ」
ホルマジオ「ただいま で、渡すものは決められたのか?」
やはりイルーゾォに相談するのはお見通しだったらしい、笑った顔が少しだけ悔しい。
「うん! 流石にお酒入りのチョコは作れないから買うけど手作りもいる?」
ホルマジオ「当たり前だろ」
頭に置いている手に力がこもったこれは多分「作らないとどうなるか解ってるよな」と言う意味の軽い脅しだと思われる。
ホルマジオはこういうイベントをとても大切にしている。同じ暗殺チームでもホルマジオの仕事と僕の仕事は違う。僕は書類整理が主な仕事で、ホルマジオは暗殺が主な仕事である。
そのせいで毎日会えるわけではなく、僕がアジトにいるときにホルマジオは仮眠をとっていることも多い。そんなとき僕は文句を言うでもなくホルマジオのベッドに潜り込んで一緒に寝たりしている。僕が起きるともう居ないことが多いのだが。
そう言うこともあり、イベントの時はいつもより長く一緒にいられるように仕事の調整をしてくれている。そう言う心遣いがとても嬉しいのでホルマジオに会えないときがあっても我慢ができる。
夜中にあった任務だったのでホルマジオは部屋に睡眠をとりに行った、その間に僕は腕時計を見に行くことにした。丁度ホルマジオに渡そうかと考えていたものがある。
チョコレートのラッピングを終えてもホルマジオは起きてこなかった。起こさないように足音を忍ばせてホルマジオの部屋に入り、ベッドに近づく。久しぶりに寝顔を拝もうと思ったのだがブランケットを顔まであげていて見ることが出来なかった。
顔見るくらいなら起きないかなーとブランケットに手をかけると手首を掴まれた。
ホルマジオ「来いよ」
「寝顔見に来たのに…。」
ホルマジオ「遅かったな?」
「いつから起きてたの?」
ホルマジオ「ずっと」
ニヤッと笑ったホルマジオに引っ張り込まれた。まだ眠くないと抗議すると俺が眠いから良いんだと返された、ホルマジオは眠いと少しだけ我が儘になる。
おやすみと僕の額に軽くキスをしてホルマジオは目を閉じた。気のせいかいつもより抱き締める力が強い。
「苦しい…。」
ホルマジオ「 俺から離れるな」
「へ?離れないよ」
ホルマジオ「…わりぃ 不安になっただけだ」
「僕が好きなのはホルマジオだけだよ!」
負けずにぎゅーっと抱き付くと黙ってしまった。表情を窺おうとすると顔を胸に押し付けられた、完璧に苦しい。
ホルマジオ「 最近イルーゾォと仲が良いから」
「ホルマジオと仲が良いから話聞いてたんだよ もう14日だから渡すけど」
僕はサイドテーブルに置いておいた腕時計に手を伸ばした、手が届かなかったので結局ホルマジオが取ってくれたが。
「イルーゾォに最近腕時計壊したって聞いたから プレゼント」
ホルマジオ「マナ グラッツェ」
「どういたしまして ちょっと嫉妬したってこと?」
無言は肯定だと受け取る。ホルマジオの可愛い一面が見れて少し嬉しい気もするがあまり苛めると拗ねるのは確実なので弄るのはこれくらいにしておく。
ホルマジオ「お前は 俺には勿体無いほど良い女だ」
「…ホルマジオも僕には勿体無いほどの良い男だよ」
僕らはそのまま眠りについた。その様子をイルーゾォが微笑ましそうに鏡の中から見ていたことを二人は知らない。
相変わらずオチがないィィィィィィィィィィィィィィッ。ホルマジオが格好良すぎて息するのが辛いです(´・ω・`)ホルマジオもバレンタイン限定でお持ち帰りオケです。