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□バレンタイン
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今日はバレンタイン、つまり恋人達が愛を確かめ合う日。日本では女性が男性にチョコレートを渡すというイメージが強いが、此処イタリアではお互いに花束やプレゼントを渡す事の方が一般的だ。

と、言うことで僕も大事な恋人に何かをプレゼントしようと思うのだが…。

「 何が良いんだろう」

ちなみに僕の恋人は同じ暗殺チームに所属しているイルーゾォ。スタンド能力の事を考えると彼に必要不可欠な物はやっぱり鏡だと思うのだが、何だか捻りがないと言うか安直すぎると言うか… いまいちしっくり来ないのである。

と、その時良いことを思い付いた。イルーゾォのイメージにぴったりのプレゼント。が、やっぱり喜んで貰えないと意味がないのでイルーゾォに気づかれないようにしつつ、アジトに残っている暗殺チームの皆に意見を聞いてみた。

プロシュート「ん?まぁ良いんじゃあねぇか」

ホルマジオ「まぁ お前から貰ったもんなら何だって嬉しいだろうよ」

兄貴sに話を聞いて決意を固める。さて、さっそく買いに行こうかと立ち上がると二人に肩を掴まれた。疑問に思って振り返ると、ニヤニヤと楽しそうな表情の二人と目があった。

プロシュート「祝うならちゃんとした格好しないとなぁ?」

ホルマジオ「幸いイルーゾォはまだ任務だしな」

嫌な予感しかしないので逃げたいのだが肩を完璧にホールドされているので逃げることが出来ない。その結果僕は兄貴sにどこかに引きずられていくこととなった。

引きずられていった先はプロシュート兄貴の部屋だった、逃げないようにホルマジオに肩を掴まれながらも僕は首をかしげて二人に理由を尋ねた。

プロシュート「言っただろ、ちゃんとした格好しろって」

「これからプレゼント買いに行くんですが…?」

ホルマジオ「そこまでの格好はさせねぇよ、ちょっと可愛い服装にするだけだ」

…兄貴のクローゼットに可愛い服が入っていて僕は笑いを堪えるのに必死だった。僕のために用意してくれていたことは痛いほどに解ったので何とか堪えた。

メローネのクローゼットに入っている様子は普通に想像できるのだが兄貴のスーツの間に可愛い服が入っているのが無駄に笑える。

兄貴の匂いがついてそうだとポツリと呟くと叩かれた。別に加齢臭とかじゃなくて兄貴の香水とかいつも吸ってるタバコの匂いがするからイルーゾォの機嫌が悪くなりそうだなぁと思っただけなのに!

と、抗議すると

プロシュート「嫉妬できないくらいイイ仕上がりにするから気にすんな」

と、言われた。自分の部屋で着替えを済ませ、二人のチェックを受けて軽いメイクをして貰った。鏡を見るなと注意を受けて僕は解放された。そんなこと言われたら逆に見たくなるじゃあないか!

鏡を見に行こうとしたちょうどその時任務を終えたイルーゾォから電話があった、夕方いつものレストランで会おうと約束してから電話を切る。

「さて、プレゼント買いに行かなきゃ」




イルーゾォ「ただいまマナ!」

レストランに着きイルーゾォを探して少し辺りを見渡すと、後ろから飛び付かれた。かなりの衝撃がを受けたがやっぱりイルーゾォは可愛すぎる。

「おかえりイルーゾォ」

イルーゾォ「…。」

僕が振り返るとイルーゾォが固まった。その表情が段々と複雑そうなものに変わっていくので僕は心配になった。

イルーゾォ「可愛すぎる 嬉しいけど ちょっと嫌だ」

何だこの可愛い生き物。お持ち帰り良いんですか?良いんですよね?よっしゃ持ち帰り(殴り

イルーゾォ「マナは俺の彼女だから 他の男に注目されたくない」

俯いてしまったイルーゾォを何とか元気付けてレストランに入る。未だに俯き加減のイルーゾォに最初にプレゼント交換をしようと持ちかけると少し元気になったようで安心した。

「僕からはこれ、普通は逆なんだけどね」

イルーゾォ「花束?」

「ちなみにこれは鈴蘭、花言葉は幸せの再来、純粋、意識しない美しさ とかだね」

イルーゾォ「ありがとう」

イルーゾォはニコッと笑って僕をぎゅーっと抱き締めた。やっぱりプロシュートの匂いがすると顔をしかめられてしまったが。

イルーゾォ「俺からはこれ」

「指 輪?」

イルーゾォ「左手出して」

僕はおずおずと左手を差し出した、イルーゾォはそっと薬指に指輪を嵌めてくれた。

イルーゾォ「俺弱いけど これからもずっとマナの事守るから 結婚してください!断るのは許可しない!」

そう言ったイルーゾォの顔はかなり真っ赤だった。つられたのか僕の頬も段々と熱をおびてくる。

「 こんなので良ければ…。」

そう小さく呟けば感極まったイルーゾォにぎゅうぎゅうと抱き締められる。少し苦しくもあるが幸せすぎて気にならない!

その時周りから拍手が起こり、暫くしてから此処がレストランであることを思い出した。今までの言動は全て見られていたらしく周りからはおめでとうとか幸せにとかいう言葉がとんでくる。

二人は顔を見合わせ恥ずかしそうに笑うとどちらからともなくキスをした。

後日 その様子が地元紙の片隅に載っていて、組織内でからかわれまくったのはまた別のお話である。





イルーゾォが可愛すぎて爆発しそうな勢いの今日この頃。相変わらずの駄文ですがバレンタイン限定でお持ち帰りを許可します(上から目線だなオイ)、でも一言お願いします…。

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