イナゴ 夢小説
□誤解
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帰り道。
僕たちの関係はどこかぎこちなくなってしまっていたが、マサキくんがこうして一緒に下校してくれるだけで僕は幸せだ。
ちらっと横目で彼を見ると、やはり不機嫌そうだ。
もしかして、僕はマサキくんに悪いことをしてしまったのだろうか?
もしかして、僕とマサキくんは一生こんな関係のままなのだろうか?
そう思うと僕はいてもたってもいられなかった。
紅音「マサキくん、あの……」
狩屋「…………」
無言の威圧感があった。
僕は一瞬話すのを諦めかけたが、勇気を出して、声を出す。
紅音「マサキくん!僕のこと嫌いですか!」
狩屋「は?」
紅音「最近、マサキくんいつも怒ってるし、不機嫌そうだし、僕何か悪いことしちゃったのかもって……き、嫌われちゃったのかなって……」
せっかくマサキくんと仲良くなれたのに、僕のせいでマサキくんとの仲が悪くなるのは嫌だ。
紅音「な、なにかあったら言って!僕、マサキくんに嫌われるのはやだよ!」
僕が言い終えると、マサキくんは拳をぎゅっと握った。
狩屋「じゃあ言うけどさ。紅音、なんでオレと一緒に帰ってるの?」
紅音「え…?」
マサキくんの声はとても冷たかった。
そして、マサキくんの言葉は僕に深く突き刺さった。
『なんでオレと一緒に帰ってるの?』
そんなの、僕とマサキくんが友達だからじゃないか。
確かに毎日一緒に帰る約束をしてるわけではないけど、僕とマサキくんが一緒に下校することは「当たり前」なことなのだ。
それなのに。
狩屋「なんでオレ、おまえと並んで歩いてんのかな……」
マサキくんは目を伏せた。
狩屋「紅音はオレじゃなくて、キャプテンと帰るべきなのに。」