イナゴ 夢小説

□最高のコスプレ
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狩屋「おい、紅音」
僕の背後に、マサキくんのバッグがあたった。

紅音「あだっ!?……ど、どうしたの?マサキくん」


 着替えを終えた僕が更衣室を出ると、いきなり攻撃を受けたのだった。


狩屋「オレ、今日一人なんだけど。」

紅音「ん?」

僕は笑顔で首をかしげた。


狩屋「だから、今日は一人で帰るんだけど」

マサキくんはとても不機嫌そうだった。

 僕はもう一度マサキくんの言葉の意味をたずねようとしたが、怒られそうなのでやめた。


 マサキくんは最近一人で下校していることが多い。
それなのに、なぜ僕にそれを報告したのだろうか……







紅音「あっ!……マサキくん、一緒に帰ろうか!」

たぶん、マサキくんは一緒にかえろう、という誘いを僕にしたのだ。

そうに違いない。……いや、そうだったら嬉しい。


 僕はマサキくんの返事をドキドキしながら待つ。

狩屋「……まあ、一緒に帰ってあげても………おい、なんでニヤニヤしてるんだよ!」

紅音「え、し、してた?」

狩屋「してたよ!……どうせ、めんどくさいヤツだって思ってたんだろ」

紅音「? そんなこと思ってないよ」

 僕たちが更衣室の前でそんな話をしていると、更衣室の中で話していた霧野先輩と神童先輩が出てきた。


霧野「めんどくさいヤツだな、狩屋は」
狩屋「なっ……!なんでお前に言われなきゃいけないんだよ!」

霧野「俺は紅音の心のうちを語ったんだよ。なっ、紅音」

霧野先輩は僕の肩に手を回そうとした。

が。
僕はマサキくんに腕を強く引かれ、霧野先輩の手から遠ざかった。

紅音「わわっ!マサキくん、どうして……」
狩屋「…………」



 マサキくんは僕の手を引いてずんずんと出口に向かっていく。

遠ざかっていく先輩たちに僕は大声でさよならをした。












神童「………なんというか、競争率高いな、頑張れ霧野。」

霧野「………トップを走ってる神童に言われても嬉しくない……」
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