イナゴ 夢小説
□最高のコスプレ
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使われていないロッカーから出された女子制服。
紅音「な、なんで女子制服がここに……?」
霧野「ああ、これは何かの罰ゲームで、確か神童が………」
神童「言うな!何も!」
神童先輩は顔を真っ赤にしていた。
僕は渡された女子制服を見つめる。
紅音「それで、これは……どうすれば?」
霧野「紅音が着るんだろ?……ずっと、前にそんな話しなかったか?女装がどうとか……」
霧野先輩は当たり前のように言った。
紅音「そ、そんなこと話しましたっけ?」
霧野「まあ、どっちにしろ着てみろよ」
紅音「い、嫌ですよ!」
霧野「………先輩命令だ。着ろ。」
紅音「なんて理不尽な権力!」
だが、そう言われてしまうと断れないのが僕の悪いところだ。
僕はしぶしぶスカートをはいた。
紅音「あ、足がスースーしますね……」
僕はブラウスを着て、リボンをつけようとする。
が、上手くできなかった。
霧野先輩に助けを求めようと上を向くと、更衣室にいた全員……サッカー部の全員が僕を見ていた。
紅音「あ、その…………」
僕の顔がどんどん赤くなっていく。
すごく、恥ずかしかったので、僕は霧野先輩の影に隠れた。
神童「な、なんというか……着替えずらいな」
霧野「ああ、その………想像以上だった」
僕は霧野先輩のかげから顔を出して、みんなをみた。
だが、僕と目のあった人はみんな顔を赤くしながら目をそらしてしまう。
紅音「霧野先輩……僕の女装、やっぱり気持ち悪いですよね……」
霧野「い、いや、思わず気をつかうくらい似合ってる!それをマネージャーのユニホームにするべきだと思うほどにいいと思う!」
神童「そんなことしたら、色んなところに支障がでるだろ……」
霧野「とにかく!凄く似合ってるぞ!」
紅音「そう、ですか?……ちょっと嬉しいです」
僕は鏡の前に出て、勢い良くくるりとまわった。
すると、霧野先輩が寄ってきて、僕の回転を止める。
霧野「何してるんだ紅音!な、中が見えるだろ!」
紅音「別に見られても困らないですけど……?」
霧野「お、俺たちが困るんだよ!もう女装はいいから早く脱げ!」
紅音「は、はあ……」
さっきは着ろ、と言ったのに、おかしな先輩である。
僕は仕方なくブラウスのボタンを外した。
だが、その手を即座に霧野先輩がつかむ。
紅音「な、なにするんですか!これじゃあ脱げないじゃないですか!」
霧野「脱ぐな!」
紅音「え!?もう、どうすればいいんですか!?」
先輩は僕のはだけた胸元のボタンを閉める。
その後、僕はズボンをはいてからブラウスを脱げ、という謎の命令を受けた。
部室にいたみんなはなぜか談笑を止めていた。