イナゴ 夢小説

□嫉妬
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天馬「はあっ!疲れたー!」
 僕は汗をぬぐう天馬くんにタオルを渡す。

紅音「朝からハードだったね、お疲れさま!」
僕が笑顔でそう言うと、天馬くんは顔を赤くした。

紅音「……?どうしたの?」

天馬「いや、紅音って時々本当に可愛いよね!なんかちょっとドキドキした!」

紅音「だから可愛いって言われても嬉しくないよー……僕はみんなみたいにかっこよくなりたいんだ!」

狩屋「それは無理だろ」

マサキくんがポツリと呟く。

紅音「う……まあ僕はサッカー出来ないしなあ……」

 僕はみんなを見渡す。

サッカー部のみんなは凄くかっこよかった。





紅音「あ、神童先輩だ!」

 僕はグラウンドから戻ってくる神童先輩を見つけて駆け寄る。


信助「紅音は本当にキャプテンのことが大好きだよね!」
天馬「うん!良き先輩後輩ってヤツだね!」







紅音「神童先輩、おはようございます!」
僕は先輩にタオルを渡す。

神童「おはよう。……ああ、ありがとう。」

先輩はタオルを笑顔で受け取った。



紅音「霧野先輩も使ってください!」
 僕は神童先輩の隣にいた霧野先輩にもタオルを渡す。
霧野先輩はありがとう、といってそれを受け取った。

紅音「神童先輩、昨日はありがとうございました!凄く楽しかったです!」

神童「ああ、俺も楽しかった。……またどこかに行きたいな。」

紅音「はいっ!」


 またどこかに行きたい。
僕は本当にそう思った。



そうだ、今度はサッカー部のみんなとどこか遠くへいってみたいな。




紅音「神童先輩、僕…」
霧野「神童。」

霧野先輩が少し大きめの声でいった。
僕は口を閉じる。




霧野「ディフェンスのメニューについて、相談があるんだけど……」

神童「?……あ、ああ。」

 神童先輩は僕をちらりとみたあと、霧野先輩と話を始めた。

だが、僕にはなぜか違和感が残っていた。



 練習メニューの相談は大事なことだ。
そして僕には入れない話題である。

でも、霧野先輩が神童先輩を呼んだときに感じた、あの不思議な雰囲気はなんだったのだろう。





 結局違和感の正体をつかめないまま、僕は先輩たちに軽く礼をして、マネージャーさんたちの元へ戻った。
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