イナゴ 夢小説

□遊園地へ行こう!
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 登校中。

僕は「彼」をどうやって遊園地に誘うか考えていた。

紅音「うーん……」
 僕は2枚のチケットを見ながら悩む。



じっとチケットを見つめて、誘うときのセリフを考える。

すると。
紅音「うわっ!」

僕は前を歩いていた人にぶつかった。
どうやらかなり集中していたらしい。

紅音「あ、あの!すみません!」
僕は雷門中の制服をきた彼に謝った。

狩屋「なにぶつかって……あれ?紅音?」
紅音「あ、マサキくん!」
 僕がぶつかったのは、マサキくんだった。

紅音「ご、ごめんね、マサキくん!」
狩屋「ったく、いつもお前はぼーっとして……ん?」
 マサキくんは言葉を止めて、僕の手をみた。

僕の手には、2枚のチケットが。

僕は焦ってチケットを隠す。

紅音「あの、こ、これは……」
狩屋「隠すなよ」
マサキくんは僕の背後にまわりこんで、僕の手からチケットを抜き取った。

紅音「あっ!」
狩屋「ふーん……遊園地のチケットか……」

マサキくんはそれをじっくりと見ると、僕に返した。

狩屋「返す。……誰かといくんだろ。」

紅音「えっと……」
 僕はチケットを受け取った。
マサキくんはスタスタと先を歩く。

紅音「マサキくん……なんか、怒ってる?」
狩屋「別に。」

 口調がとげとげしかった。
僕はためらいながらも、マサキくんの袖口を掴んで、彼を引き留める。

紅音「ま、マサキくん!待って!」
狩屋「……何?」

マサキくんは足を止めてくれた。
僕は勇気を出して、言う。





紅音「あ、あの……一緒に遊園地に行かない?」





 僕が遊園地に誘おうと思っていたのはマサキくんだ。

紅音「今度の部活が休みの週末なんだけど……マサキくんを誘おっかな、って思って……」
狩屋「な、なんでオレなんだよ。」
マサキくんは戸惑ったように聞いてくる。



紅音「それは……マサキくんと遊園地に行きたいと思ったから、じゃダメかな…?」

僕は家に帰って誰を誘うか考えた。
いや、考えるまでもなく、僕はマサキくんと遊園地に行きたかった。





僕が言うと、マサキくんはなぜか顔を赤くしながら、僕の手の中のチケットを一枚取った。

狩屋「まあ、少しくらいなら付き合ってやってもいいけど……」

紅音「えっ、ほ、ホントに!?あ、ありがとう!」







 マサキくんはぷい、と振り返って歩き出した。
僕はその数歩後をついていく。




マサキくんともっと仲良くなれるといいな、と考えながら、僕は笑った。
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