イナゴ 夢小説

□人生ゲーム
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霧野「神童がさ、人生ゲームやったことないって言ってたんだよ」
紅音「あー……まあ、神童先輩ですからね!」
部活が休みになるテスト期間。
デキはともかく今日のテストを終えて帰る準備をしていた僕の元へ、霧野先輩がやってきた。

霧野「で、神童の家で人生ゲームをやろうって話になったんだけど………紅音も来るか?」
紅音「え?僕も行っていいんですか!?」
僕が立ち上がると、後ろで僕の帰りの支度が終わるのを待っていたマサキくんにコツンと頭を叩かれた。
狩屋「テスト期間なんだからテスト勉強しなくちゃだろ。明日もあるんだし」
霧野「じゃあ狩屋はこないんだな?」
霧野先輩が尋ねると、マサキくんはため息をつきながら言った。
狩屋「テスト期間にいくわけな……」
霧野「らしいぞ!残念だな紅音。じゃあ行こうか!」
 霧野先輩がにこやかに微笑んで、僕の肩に手を回した。

霧野「ちなみに今日やる人生ゲームは浜野と俺の手作りなんだ!!楽しみだな!」
紅音「手作りですか!すごいですね!!」

神童先輩のためにわざわざ人生ゲームを手作りするなんて、さすが先輩たちだ。

狩屋「ま、待て!いくな!浜野先輩と霧野先輩の作った人生ゲームなんて悪意と下心の塊みたいなものに決まってるだろ!」

紅音「悪意と下心?」
霧野「紅音はそんな汚れた言葉知らないってさ」
狩屋「つまりボード上に変なマスしかないってことだよ!例えば……牛乳を頭からかぶるとか!」
僕は頭から牛乳をかぶるマサキくんを想像した。

紅音「それはくさくなっちゃうね………」
霧野「そんな食べ物を粗末にするようなマスはないぞ狩屋。牛乳じゃなくて白い絵の具を溶かした水だ。」
狩屋「それはあるのかよ!!」

 霧野先輩とマサキくんが言い合ってクラスの注目を集めていると、急にそのクラスの視線がドアへと移った。

みんなの視線の先にいたのは神童先輩だ。

紅音「神童先輩……!」
神童「遅いと思ったら……また喧嘩してたのか」
 二人を見ながら神童先輩が笑った。


霧野「お、神童!きたのか!」
神童「テスト期間なんだから誘わない方がいいんじゃないか?」
狩屋「っていってますよ、霧野先輩?」
霧野「でも、どうせみんな勉強しないだろ?」
紅音「はい!しません!」

狩屋「お前は少し位勉強しろよ……」
 マサキくんが呆れたように僕をみた。


霧野「ま、そういうことだから、紅音は参加で狩屋は不参加だな」

狩屋「いや、オレもいく」
霧野「来るのかよ……」
狩屋「先輩たちだけだと紅音が危ないだろ」

紅音「じゃあ、4人で人生ゲームですか?」
僕は神童先輩に尋ねる。
神童「いや、浜野も来るぞ。」
狩屋「テスト期間なのによく参加しますね」
霧野「狩屋だってなんだかんだ言って参加するんだろ」

神童「浜野はテスト勉強なんてどうせしないし、暇だから来るって言ってて……霧野は現実逃避のためだよな」
狩屋「ろくな理由のヤツがいないな……」
霧野「狩屋だって紅音のナース服姿が見たいだけだろ」
狩屋「な、ナース服って……!どんな人生ゲームなんだよ!!」
マサキくんが顔を赤くしながら霧野先輩に大声で言った。

神童「……浜野を待たせてるから、とりあえず行かないか?」




そんなこんなで、僕たちは神童先輩の家で「手作り人生ゲーム」をやることになったのであった――。
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