イナゴ 夢小説
□プール
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霧野「よし、二人とも!泳ぐぞ!」
紅音「はいっ!いきましょう、先輩!」
僕と霧野先輩は上に羽織っていた服を放り投げる。
そして、拾い直した。
ここは雷門町から少し離れたプールだ。
まだ肌寒い季節だが、室内プールがかなり広く、家族連れの姿も多々みられた。
以前、僕と霧野先輩がプールの話で盛り上がっているのを聞いて、神童先輩がここに連れてきてくれたのだった。
僕は目の前に広がる大きなプールに感動して、心を弾ませた。
霧野先輩も楽しそうに目を輝かせている。
紅音「霧野先輩!」
霧野「なんだ?」
紅音「霧野先輩、上半身裸だと、男らしくてステキです!かっこいいです!」
霧野「そ、そうか……?なんか照れるな……」
紅音「あと、周りからの視線がスゴいです!」
ここについてからずっと気になっていた視線。
霧野先輩が上着を取ることによって、その視線は一層強くなった気がした。
霧野「多分、視線を向けられてるのは俺だけが原因じゃないと思うぞ」
紅音「あ……神童先輩もかっこいいですからね!」
霧野「そしてお前もなかなかのものだからな!かっこよくはないけど!」
紅音「ぼ、僕の体、やっぱり弱そうですもんね……」
霧野「いや、違くて。」
霧野先輩が僕の体を見回して、顔を赤くした。
更衣室でも、同じようなやりとりをしたことを思い出す。
霧野「し、神童は泳がないのか?」
神童「疲れるし、水に酔うからな」
霧野「冷めてるな……いくぞ、紅音!」
紅音「は、はい!」
僕は霧野先輩に腕を引かれながら、神童先輩に手を降った。
ひんやりとしたプールに入ると、霧野先輩がいきなり水をかけてきた。
紅音「う、やりましたねっ!」
僕は霧野先輩に水を掛け返す。
しばらく僕たちはそのままきゃっきゃと遊んでいた。
「おい、あの女の子たち裸じゃね?」
「いや、あれ男だろ……? いや、あれ……?」
神童「容姿もだけど、遊び方に問題があるんだよな、あれは。」
神童先輩は遠くから僕たちを見ながら微笑んでいた。