イナゴ 夢小説

□最高のコスプレ
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霧野「山菜!山菜の盗撮技術を見込んでお願いがある!紅音の写真を撮ってくれ!そして、俺にくれ!」

山菜「変態……」

霧野「なっ……や、山菜に言われるとは……」




 霧野先輩と山菜さんが珍しく話をしていた。





紅音「神童先輩、二人は何を話しているんでしょう?僕も混ざってこようかな……」
神童「……やめておいた方がいい。あれは変態の集いだ。」

神童先輩は僕の手を引いて二人から遠ざかる。










 今日は休日だが、もちろん練習があった。
選手たちは練習を終えて、着替えるためにサッカー棟へ向かっていく。




僕はマネージャーだが、ジャージを着替えるために選手たちと同じ更衣室に入った。


選手たちが黄色いユニホームから制服に着替えながら談笑している。



紅音「いいなあ……雷門中のユニホーム……」
僕は呟いた。

すると。




霧野「着てみるか?」

隣にいた霧野先輩が突然僕にそう尋ねた。

霧野「たしか、どこかのロッカーに予備のユニホームがあったと思うけど……」

霧野先輩がそう言うと、次は神童先輩が話に加わる。

神童「ああ、それならあそこにあるぞ」


 神童先輩は更衣室の端のロッカーを開けて、雷門中サッカー部のユニホームを取り出した。

そしてそれを僕に手渡す。


神童「はい、着るんだろ?」

紅音「え……えっ!?」

何気なく呟いた願いが、あっという間に叶おうとしていた。


僕は目の前にあるユニホームを見つめる。

紅音「僕が、き、着てもいいんですかっ!?」

 中学サッカー界の名門、雷門のユニホームを僕なんかが着てもよいのだろうか。


僕が混乱しながらきくと、先輩たちは不思議な顔で僕をみた。

霧野「逆に、どうして着ちゃいけないんだ?」





そういうことで、僕の願いは一瞬で叶った。









僕はユニホームを身に付ける。



 黄色の地に、青のライン。
胸元に入ったマークを見て、僕は嬉しさが込み上げてきた。


紅音「ど、どうですかっ!」


霧野「おお!結構似合ってるぞ」

紅音「本当ですかっ!?」

僕は鏡で自分の姿をみた。

……すごい。僕が雷門中のユニホームを着ているなんて、信じられない。



霧野「そんなに気に入ったなら、山菜に写真を撮ってもらったらどうだ?」


紅音「あっ!それいいですね!写真撮って欲しいです!」

神童「霧野、策士だな……」
神童先輩がなにかを呟いていた。



霧野「せっかくなら俺も紅音と一緒に写真撮ってもらおうかな」

霧野先輩は一度脱いだユニホームを着直した。

霧野「神童はどうする?」
神童「……俺は……」
神童先輩は僕をちらりとみた。


霧野「まだユニホーム着替えてないし、一緒に撮らないか?」

神童「そうだな……」

神童先輩がうなずく。




すると、今度は僕たちを遠くからみていた信助くんと天馬くんが、話に入る。

信助「キャプテン、僕たちも一緒に写真撮りたいです!ね、天馬!」
天馬「うん!マサキも撮りたいよね?」
狩屋「お、オレは……」
影山「僕も撮りたいです!」

次々に僕たちの周りに人が集まってきた。

浜野「ナニナニ?オレも混ぜて」
速水「み、みなさんがやるなら……」天城「オレも写真撮りたいド!」

三国「そうだ、せっかくならみんなで撮らないか?」



と、いうことで。




山菜「はい、チーズ」


 僕たちは結局グラウンドにでて、全員で写真を撮った。


僕を中心に雷門中サッカー部のみんなが思い思いにポーズをとっている写真だ。

……しかも、みんなユニホームを着て。



紅音「ぜ、贅沢すぎて……僕は明日死んでしまうのではないでしょうか……」

神童「それは困るな……」
僕たちは再び更衣室に戻って、着替えをする。






紅音「ありがとうございました。僕にとっては世界一豪華なコスプレでした……」

僕はユニホームを脱いでたたむ。


霧野「……あれ?コスプレと言えば女子制服がなかったっけ?」

神童「ああ、そういえばあった気がするな……」




 そう言うと、今度は神童先輩が女子制服を持ってきた。
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